児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ

30歳で独立、31歳で出版社(いずみ書房)を創業。 取次店⇒書店という既成の流通に頼ることなく独自の販売手法を確立。 ユニークな編集ノウハウと教育理念を、そして今を綴る。

おもしろ言葉のおこり

あけまして、おめでとうございます。

ところで、正月早々、お年玉をあげた孫に 「どうして、お正月はめでたいの ?」 とたずねられました。

「新しい年がくると、みんな今年もがんばろうという気持になるよね。それで、『おめでとう』というんだ」 といっても、不満そうな顔をしています。そこで 「きみは、お誕生日になると歳がひとつ増えるので、みんなから『おめでとう』といわれるよね。でも、おじいちゃんの子どものころは、数え年といって、お正月になると歳がひとつ増えたの。だから、『おめでとう』というようになったんだ」(注:1950年の1月1日から、満年齢に改正されました) というと、満足そうでした。

本来は、年の初めに、五穀豊穣と繁栄をもたらし、人びとに新しい活力を与えるとされる年神様を讃え、1年の無事を祈る言葉として「おめでとう」とあいさつを交わすものでした。むかしの日本では、種をまく農作業のはじまる春の正月が1年のはじまりと考えていたため、春が来て作物が芽吹くので、「芽出たい」というようになったという説もあります。

いずれにせよ、これからはじまる新しい年の健康を祈り、みのり豊かな年であってほしいという願いをこめ、心から 「おめでとう」 のあいさつをしたいものです。

今年も、内容のある記述をこころがけますので、よろしくおつきあいいただければ幸いです。

おもしろ「言葉」のおこり 10

● 気の毒

もともとは、自分の心や気分にとって毒になること、気がもめたり気がかりになったりして腹立たしく思うこと、自分に苦痛があること──などを「気の毒」といったようです。このように、自分自身への言葉だったのが、たとえ他人の苦痛でも自分の心を痛めるということで、いつのまにか、他人への同情をあらわすものになりました。

● 手塩にかける

室町時代の頃から、膳の不浄を清めるとともに、各自の好みで料理の味かげんをするために、食膳に少量の塩が盛られるようになりました。つまり、自分の手で塩加減をしたわけですが、これがもとになって手にかけて世話をすることを「手塩にかけて」というようになりました。

● きざ

言葉、服装、態度などが気どっていて反発をかんじさせるときに「きざなヤツ」などといいますが、もともとは「気障り(きざわり)」からおこった言葉です。きにかかるということが、不快を感じさせるいやみなことへと変わってきたのです。

● くしゃみ

むかし、くしゃみをすると早死にするという言い伝えがあり、くしゃみをしたときは、「糞くらえ」などとまじないの言葉をとなえると、早死にが防げるといわれてきました。このクソクラエが、クサハメ(ハメは、食えの意)に、クソハメがクサメになり、このクサメがなまって、クシャミとなったようです。

このように言葉というのは、長い間に、少しずつ変わっていくものですね。短期間に変わってきたのを実感するのは「こだわる」という言葉です。些細なことにとらわれるといった、あまり良くない意味に使われていました。それが、最近では些細な点にまで気を配る──思い入れがあるというように、良い意味に変わってきています。それをみんなが使いだすと、辞書にも記されるようになったばかりか、そのうち「以前は、些細なことにとらわれすぎる」という意味に使われていた、などと注釈が出たりするのかもしれません。

おもしろ「言葉」のおこり 9

● 打ち合わせ

何かをするとき、前もって相談することをいいます。でも語源は、雅楽からきた言葉のようです。雅楽では、演奏の前に、吹奏楽器と打楽器の息をあわせるために、打ち合わせをします。つまり、音あわせですが、これがいつのまにか、一般の前相談にも使われるようになりました。

● さしがね

背後で人を指図して動かすことを、陰で人をあやつることに用いられます。これは、あやつり人形の、腕や手を動かすために、腕に仕掛けた長い棒を「さしがね」ということから起こったようです。歌舞伎の小道具のひとつに黒塗りの細い竹の先に針金をゆわえ、これに作り物の蝶などをつけて、黒衣(くろぎぬ)の後見が動かすものがあり、やはりこれも「さしがね」ということから起こったという説もあります。

● 皮切り

この言葉の本来の意味は、「最初にすえる灸(きゅう)」のことです。つまり、灸をすえるとき、最初のひとすえは、熱くて痛くて身の皮を切られるようだ──ということから、「皮きり」といわれるようになり、それが物事のしはじめ、手はじめに、使われるようになりました。

おもしろ「言葉」のおこり 8

● もしもし

電話で相手に呼びかけるときの「もしもし」。これは、人に呼びかけるとき、訴えかけるときの敬語「申す」がもとになったものです。「申します申します」が、使いやすいように「もしもし」と一般化しました。

● とどのつまり

いろいろやってみて、けっきょく思わしくない結果に終わったときに使う言葉ですが、トドとは魚のボラのことで、幼魚のときはオボコといい、成長するにつれてクチナ、スバシリ、イナ、ボラとなって、最後にトドと呼ばれることから「とどのつまり」という言葉が生まれたといわれます。

● 八百長

前もって勝負を打ち合わせておいて、表面だけは真剣に勝負したように見せかけることですが、もともとは人の名前です。明治時代に八百屋の長兵衛という人がいて、大相撲の年寄・伊勢ノ海と囲碁仲間でした。実際には、長兵衛は伊勢の海よりずっと強いのに、ごきげんをとるために、勝負を互角になるように細工しました。これを見た人が、わざと負けることを「八百長」とよぶようになりました。やはり、「八百長」は、相撲に関連しているようですね。

おもしろ「言葉」のおこり 7

● ありがとう

「ありがたい」は、漢字では「有り難い」と書きます。これは、「存在することがむずかしい」「めったにない」という意味で、もともとは法華経から出た、神仏への謝意をあらわす言葉でした。ところが、江戸時代に入ったころから、それまで使われてきた「かたじけない」にかわって、一般的なお礼の言葉として「ありがとう」が使われるようになったようです。何はともあれ、「ありがとう」はとても素晴しい日本語ですね。いわれて、気分を害する人はだれもいません。「ありがとう」が素直にいいたくないときや、ちょっと照れくさいときは、ちょっと茶化して使うのもおもしろいです。「ありがたい」を「蟻が鯛」に置き換えて、「蟻が鯛なら、芋虫ゃ鯨」・・・なんて。

● うやむや

「有耶無耶」──これが漢字で書いた「うやむや」です。「物ごとが有るか無いか、はっきりしない」さまであり、この「ありやなしや」が、いつのまにか「うやむや」と短く読まれるようになったようです。

● おいしい

「いしい」は漢字で「美」と書きます。つまり「いしい」とは、素晴しい、よろしい、お見事といったほめ言葉です。そして、この「いしい」に接頭語の「お」をつけて、美味だというときに使われるようになりました。もともとは、女の人だけが使う言葉でした。

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