児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ

30歳で独立、31歳で出版社(いずみ書房)を創業。 取次店⇒書店という既成の流通に頼ることなく独自の販売手法を確立。 ユニークな編集ノウハウと教育理念を、そして今を綴る。

おもしろ科学質問箱

「ねこはどうして夜も目が見えるの ?」 おもしろ科学質問箱 15

いくらねこでも、真っ暗な中では見えません。でも、人間に比べると、ずっと少しの光でも、よく見えます。それは、ねこの目が外に突き出ているために、広い角度から光を集めることができるのと、明るさに応じて、瞳を大きくしたり小さくしたりできるからです。

大きさばかりでなく、形も変えます。暗闇に近いところではまん丸、うす暗いところでは縦長の楕円形、明るいところでは針のようになります。そのため、昔の人は 「六つ(午前・午後6時頃)丸く、五・七(午前8時・午後4時)卵に、四つ八つ(午前10時・午後2時)は柿の種、九つ(正午)は針」 といって、ねこの目の大きさを見れば、およその時間がわかるといいました。すばやい変化のことを 「ねこの目のように変わる」 といいます。

それから、ねこの網膜の裏側には、光を反射させる膜があるため、光の当たる角度によって緑色に光ったり、ピンクや黄色、金色に光ったりもします。暗い夜道を歩いていて、急に路地から飛びだしてきたねこが、キラリと目を光らせたりするのは、そのためです。

このように光る目やよく見える目は、ねこばかりでなく、夜に動きまわる動物たちにそなわっている性質です。

「どうして氷の入ったコップは汗をかくの?」 おもしろ科学質問箱 14

空気は、いつでも水蒸気をふくんでいます。でも、空気が水蒸気をふくむ量には限りがあって、暖かい空気は水蒸気をたくさん含むことができますが、冷たい空気は少ししか含むことができません。そのため、空気がだんだん冷えてある温度より下がってしまうと、空気がこれまでもっていた水蒸気をもっていられなくなって、水に変わります。このように、水に変わる温度を露点といいます。湿度というのは、空気中の水蒸気の量を示しているので、湿度100%が露点ということになります。

氷の入った冷たいコップがあせをかく(水滴になる)のは、コップの表面の温度が露点以下になったからです。自然にできる露も同じで、水蒸気をふくんだ暖かい空気が、露点よりひくい温度になって、冷たい表面に水滴になってつくためです。ただ、朝方に葉っぱなどにつく露はそれだけでなく、植物そのものが根っこからすいあげた水もふくまれています。昼間は温度が高いため、根からすいあげた水は蒸発してしまうのに、夜は温度が低いため、蒸発しないためです。

以上のようなことがわかったのは、それほど古いことではなく、古代ギリシアのアリストテレスの時代から250年ほど前までは 「露は雨のように降ってくる」 と信じられていたそうです。

「シャックリって、どうして出るの ?」 おもしろ科学質問箱 13

おなかと胸の間に、横隔膜(おうかくまく)という大きな筋肉の膜があります。この膜は呼吸をするときに、上がったり下がったりして、胸が広がったり縮んだりするのを助ける働きをしています。この筋肉の膜は、いつもは規則正しく動いていますが、このリズムが狂ってしまうと、間をおいてピクリピクリとけいれんをします。これがシャックリです。

人間の身体は、たくさんの反射行動をするようにできています。反射行動は、無意識のうちに、ひとりでに作用するもので、たとえば食物が呼吸の通路にはいったりすると、咳をしたり、むせたりして、食物を追いだそうとするなどの反射作用です。

シャックリもその一つで、熱い食べものを急に飲みこんだり、胃や腸の具合が悪くてガスがたまって横隔膜を圧迫したりするときなどによくおこります。でも、どうしてけいれんが起こるのかは、まだよくわかっていません。そのため、どうすればしゃっくりが止まるのかの決定的な方法は見つかっていません。多くの場合は、自然に止まるものです。水を飲んで胃を刺激したり、背中をたたいたり、少しずつ唾をのみこんだり、びっくりさせたりすると止まることもあります。

「ジェット機とロケットとどこがちがうの ?」 おもしろ科学質問箱 12

ゴム風船に空気を入れてふくらませたあと、閉じていた口を開けると、ものすごい勢いで風船は、口と反対の方向へ飛んでいきます。この原理は、次の通りです。

風船の口を閉じているときには、あらゆる方向に同じ圧力がかかっていた中の空気は、口が開くと空気が飛び出し圧力が小さくなります。圧力は小さい方から大きい方に進む性質があるため、口と反対の方向へ向かうわけです。この原理は、ニュートン(いずみ書房のホームページ・オンラインブックで「伝記」を公開中) がいいあらわした「あらゆる作用には、それと等しく逆向きの反作用がある」という自然の運動法則によるものです。

ジェット機は、この風船が飛ぶ原理を応用したようなもので、エンジンの「作用」は、燃料を燃やしてガスを後ろに噴きだすことで、これに等しく逆向きの反作用が、ジェット機を前へおし進めるものです。

この反作用を利用する点では、ロケットもジェット機とおなじです。ただ、ジェットエンジンは燃料を燃やすための酸素を大気(空気)からとりこむのに対して、ロケットは酸素も自分の中に積みこんでいます。つまり、ジェット機のタンクは燃料タンクだけなのに、ロケットには2つのタンクがあって、ひとつは燃料タンク、もうひとつは酸素タンクです。そのため、ロケットは前進するのに空気を必要としないし、空気のうすいところでも、空気のまったくない宇宙空間へ飛び出すことができるのです。

「キリンの首やゾウの鼻は、どうして長いの ?」 おもしろ科学質問箱 11

ヨーロッパには、古くから自然界の成り立ちを詳しく調べる 「博物学」 という学問が発達していました。古代ギリシアのアリストテレスは哲学者として有名ですが、さまざまな生きものの形態や生態について、詳しい観察と記述をしたため、博物学の祖ともいわれています。

でも、ヨーロッパではキリスト教を信仰している人たちが多く、聖書に 「すべての生きものは、神様がこの世のはじまりの時、7日間のうちに作り上げた」 ことになっています。博物学も、キリスト教の枠の中で発達した学問なので、生きものは、それぞれ神様によって作られ、作られたときから何も変化していないと考えられてきました。

こうした考え方に疑問をなげかけ、いっさい変化しないのでなく、少しずつ変化してきたという進化の考え方をはっきり打ち出す人が現われました。フランスの博物学者ラマルク(1744-1829)で、自分の考えを1809年 「動物哲学」 という本に記述しました。

「たとえば、キリンの祖先は、首が短く、低い枝についている葉をたべていた。ところが、低いところの葉を食べつくしてしまったため、もっと高いところの葉を食べなくてはならない。そこで、一生懸命首を伸ばして食べていたところ、首が長くなった。ゾウの鼻が長いのも同じで、高い木の枝の果物などを鼻で取るうちに、だんだん伸びてきた」 というものです。この考えかたは、「用不用説」 といって、長い間これを支持する学者がたくさんいましたが、現在は間違いだとされています。

続いて、進化論に新しい学説をとなえたのが、イギリスの博物学者ダーウィン(1809-1882)です。1859年 「種の起源」 という書に記した 「自然淘汰説」 で、「キリンの首もゾウの鼻も、最初は長いものも短いものもあった。しかし、結果的には生存競争に勝ち残り、自然条件に適応できて生きのびてきたのが首の長いキリンや、鼻の長いゾウだった」 ということになります。

どのようにして、ダーウィンがこの説を打ち出すことになったかにつきましては、いずみ書房のホームページにあるオンラインブック「せかい伝記図書館」第10巻に収録している 「ダーウィン」 に詳しく記されていますので、ぜひご覧ください。

なお現在は、ダーウィン説が有力ではありますが、進化論をもう少し総合的に考える時代になってきています。ダーウィンの時代は遺伝のしくみが解明されていませんでしたし、自然淘汰以外の進化のメカニズムを説明する 「分子進化中立説」 など、たくさんのことがわかってきたからです。

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