児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ

30歳で独立、31歳で出版社(いずみ書房)を創業。 取次店⇒書店という既成の流通に頼ることなく独自の販売手法を確立。 ユニークな編集ノウハウと教育理念を、そして今を綴る。

今週のへぇー !?

先日80歳を過ぎた人と話をしていましたら、「ずいぶん歳をとったと思ったけど、誕生してからまだ3万日なんだよね」とつぶやいたのを聞いて、「えっ、そんなもんですか」と聞き返してしまいました。

たしかに計算してみると、私も24,000日を少し越えたところ。そう思うとなぜか1日を無為にすごしてはいけないような、新しい発見をしたような気分になるから不思議です。

実年齢×365.25+(誕生日から今日までの日数) という計算をすれば簡単に誕生日からの日数が出ますから、やってみてください。

20歳の成人はおよそ7,300日、54歳で20,000日、100歳まで生きてもわずか36,525日、人生は日にちで数えると意外に短いものです。

ちなみに今日の私は24,286日目の誕生日。何か新鮮な気分と、そろそろ終末か、というはかないものも感じます。そこで今晩もひとり、誕生日の祝杯をあげます。

ある子ども向けの科学絵本を見ていましたら、こんな質問が出ていました。

「犬はみんな足を上げてオシッコをするの?」 次の1~3のうち正しいのはどれでしょう。
1. 足の長い犬だけが、足をあげてオシッコする。
2. 犬はみんな、足を上げてオシッコする。
3. メスの犬は、足を上げてオシッコしない。

答えは、3. メスの犬は、足を上げてオシッコをしない。
なぜなぜ博士の解説: 足を上げてオシッコするのは、オスだけじゃ。メスの犬や赤ちゃんの犬は、しゃがんでオシッコをするのじゃよ。
オスのイヌが足を上げてオシッコをするのは、じぶんの縄張りににおいをつけるためだ。

しかし、この回答は正しくはありません。なぜなら、私と暮らしている相棒のモカは、パピヨンのメス(最近は女の子というみたい)ですが、とても学習能力の高い子で、1歳くらいまでは足をあげずにオシッコをしていましたが、ある日、オスが足を上げてオシッコをするのを見て、(そうだ、足を上げてオシッコをすれば、オシッコが後ろ足につかないな) と思ったのでしょう。それ以来、足をあげてオシッコをするようになりました。そのためモカのオシッコ・スタイルを見た人が、「オスですか」とか「男の子ですか」と聞きますが、「いいえ、メス(女の子)です」と答えると、不思議な顔をされるのはそのためなのでしょう。

なぜなぜ博士様、解説に「メスの犬にも、足をあげてオシッコをする犬もいる」と、つけ加えたらいかがでしょう。

1月25日の日曜日に、東京・一ツ橋にある日本教育会館で行なわれた「こどもシンポジュウム」という、子ども英語教育のカリスマ的実践指導者4氏(阿部フォード恵子、仲田利津子、中本幹子、松香洋子)、コーディネーター小川隆夫氏によるパネルディスカッションに参加してきました。

すでに新聞報道などで、文部科学省が昨年3月に小学校学習指導要領の改訂を告示し、小学校5、6年生に週1コマ「外国語活動」を実施することは知っていました。正式には、2011年4月からの実施(ただし教科とはしない)となりますが、今年の4月から移行措置として、国は前倒し実施するよう要請していることから、おそらく80%の小学校で、試行錯誤しながらの英語教育がおこなわれることになるようです。

そんな現状からか、2万1千校といわれる全国の小学校へ案内状が送られたそうで、会場は英語の責任者を中心に300名もの人々の熱気で充満していました。主催者の話によると、参加希望者はたちまち定員の300名を越え、しかたなく、モニター視聴ができる別会場を用意し、それも1000名で締切るほどだったそうです。

今年度の予算は、4億1千万円で、そのほとんどは、教科書にあたる2冊の「英語ノート」の制作費(1-150万冊、2-100万冊発行)にあてられ、5、6年生用ともにレッスン1~9で構成、それぞれにCDが添付されるようです。内容は実に盛りだくさんで、これを1年間わずか35時間の授業時間で教えるのは、とてもこれまでの常識では考えられないとパネラーたちは頭をかかえていました。それでも、さすがカリスマ指導者たちは、それぞれにユニークな授業の進め方を、とてもわかりやすい言葉で語っていたのは印象的でした。

いずれにせよ、韓国から遅れること12年、わが国でもようやく小学校に英語が必修化されることに感銘するとともに、早く軌道にのせ、中学、高校、大学の英語教育との一貫性を明確にし、世界の人たちと互角にコミュニケーションのはかれる英語力が身につくことを期待したいと思います。

今週の火曜日(28日)、スケジュールに余裕があったのと久しぶりの秋晴れに誘われて、かねてから行ってみたかった「フェルメール展」へ出かけてみました。前日、株価がバブル崩壊後最安値、円高加速、景気の先行きに悲観論続出などとニュースで騒がれていても、上野公園はそんな世間の情勢などとは無縁であるかのようにおだやかで、たくさんの人出でにぎわっていました。

11時半ごろに東京都美術館に着いたところ、6種類の展覧会が開催中なのに他の展覧会はまったくの閑散、「フェルメール展」のチケット売り場にだけ長蛇の列ができています。入場券をやっと手に入れ、さあ入場と思ったら、こんどはさらに大勢の人たちが入場待ちをしていました。大盛況で、なかなかじっくり見られないと聞いてはいましたが、8月2日から始まり開催後3か月近くも経っているのに「入場まで30分」の表示を見ながら、日本人はどうしてこんなにもフェルメールが好きなのかとなかばあきれてしまいます。8割は女性でしょうか。入場料65歳以上のシニア割引が900円のせいか、半数以上がシニアの切符を手にしているように見うけました。「30数点しかないというフェルメールの作品のうち、7点を一堂に見ることができる最後のチャンス」などと新聞やテレビで報道されたり、大宣伝におどらされているだけではなさそうです。

とはいえ、私もフェルメール好きな日本人の一人なのかもしれません。フェルメールの全作品を踏破したいと、17年かけて欧米の美術館を訪ね歩き「恋するフェルメール」を著した有吉玉青さんほどではないにしても、何種類かのフェルメール関連書籍や画集を手元にしているばかりでなく、すでにナショナルギャラリー(ロンドン)、ルーブル(パリ)、メトロポリタン(ニューヨーク)、絵画館(ドレスデン)で十数点のフェルメールと出あい、昨年は六本木の新国立美術館で開催された「牛乳を注ぐ女」には、2度も対面したほどです。

私が一番出合いたいと思っていたフェルメールは、ウィーン美術史美術館にある「絵画芸術」(画家のアトリエ)。今回来日する7点のうちの1点がこの絵であることを、主催する朝日新聞の6月27日付[be]「フェルメール展特集」で知り、12月14日までの会期中には必ず行こうと決意していました。

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ところが、お目当てのこの作品がありません。一通り見終えたあと、特別の部屋にでも展示してあるのかと、もう一度もどってみましたが見当たらないため、フェルメール作品を1点ずつ数えていったところ、7点すべてあります。おそらく、何か事情があって来日できなくなったのでしょう。しかし、今回出品の7点はどれも、納得のいく作品ばかりで、特に「小路」と「ヴァージナルの前に座る若い女」の2点は、画集ではわからなかった詳細を見ることができて満足でした。

帰社後、「フェルメール展」のホームページ をチェックしたところ、開始間際の7月31日「オーストリア教育文化省は、輸送による影響、特に温湿度の変化に伴い、保存状態の悪化が懸念されるという事由により出品中止の決定を下した」とありました。

いずれ、ウィーン美術史美術館へでかけ「絵画芸術」だけでなく、ベラスケスの3点の「マルガリータ」(名品「ラス・メニーナス」に描かれている王女の、見合い写真としてハプスブルグ家に贈られた肖像画)、そしてブリューゲルの「バベルの塔」に出合いたいと願っています。何といっても美術鑑賞は、本来あるべき場所で、じっくり観るのに勝るものはありません。当然見られるものと訪ねた美術館に、「貸し出し中」で見られない時ほど興ざめなことはないからです。

なお、昨年12月6日の私のブログに「日本人の大好きな画家・フェルメール」と題し、フェルメールの人物像にふれていますので、参考にしていただければ幸いです。

先日、地元の井の頭公園内の片隅にできた 「三鷹の森 ジブリ美術館」 にはじめて出かけました。「となりのトトロ」 「もののけ姫」 「千と千尋の神隠し」 などアニメーション映画の話題作を毎年のように世界的にヒットさせているスタジオ・ジブリ。そのアニメーション制作の仕組みを中心に展示したり、オリジナル短編映画の上映、ミニ遊園地のある楽しい美術館ということで、連日のように親子連れや若い男女でにぎわっていることはよく知っていました。完全予約制のチケットを手に入れるのも至難のわざというのを耳にしていたため、1992年の開館以来、美術館の前はよく通るものの、一度も入場したことはありませんでした。

最近、新聞報道で 「小さなルーヴル美術館展」 が、ジブリ美術館にお目見えしたということを知り、どんなものなのか見てみたいと思っていました。わずか80平米の狭い室内に、世界最大といわれる 「ルーブル美術館」 をどのように見せるのだろうかという点に最大の興味がありました。

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「小さなルーヴル展」 に入るとすぐに、上半身裸の二人の美女がいて、右の女性が左の女性の乳首をつまんでいる絵(フォンテーヌブロー派「ガブリエル・デストレとその妹」)が飾られていたのに、まずびっくりさせられました。たしかに、ルーブル美術館を代表する絵に違いありませんが、子どもたちがたくさん出入りする場所に? と思ったからです。でも、その疑問はすぐに払拭しました。

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メインの部屋に入ると、原寸を半分以下にした複製画がぎっしり三方の壁面に目白押しに飾られています。中心は、裸体を含む美しい女性たちです。新古典派のダビッド(「レカミエ夫人」 「サビーニーの女たち」 など) とその弟子のアングル(「グランドオダリスク」 「トルコ風呂」 「バルパンソンの浴女」 など)、アングルと長い間対立していたロマン派のドラクロア(「サルダナパールの死」 「アルジェの女たち」 など) の作品群です。19世紀半ばごろに対立した2派が、とてもよく調和しているのを改めて感じました。

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ある母子の会話が聞えました。「どうして裸の人が多いの?」 「絵かきさんって、きれいだなと思ったものを絵にするのね。女の人の裸ってきれいだな、絵にしておきたいなって思ったんでしょうね。どう、きれいでしょ?」 「うん、どれもきれいだね」

そうなのです。感受性の豊かな、物事をありのままに受け入れる幼児・児童期に名画に慣れ親しみ、とりわけ印象深い裸体をふくむさまざまな女性たちが描かれた作品群にふれるうち、きれいなもの、美しいものを素直に受け入れる感性を、豊かに育くんでくれるにちがいありません。

そのほか、子どもたちを惹きつける工夫はあちこちにありました。壁面のいくつかにのぞき窓があって、ひとつをのぞくと、小さな部屋が見え、そこにはレンブラント(「テシバの沐浴」など) やコロー(「真珠の女」) らの名品がところせましと飾られていました。もうひとつの窓をのぞくと、セーヌの流れや遠くにノートルダム寺院が臨まれ、まさにルーブル美術館の窓からみえる風景をミニチュア化していました。

ルーブル美術館の1番人気の 「モナリザ」 は、原寸大で小さな一室に収められていました。防弾ガラスでおおわれた、人々の肩越しから本物を見るより、こちらのほうがよく鑑賞できそうです。その隣には、「モナリザ」 の背景にとり入れられている、スフマート(空気遠近法) といわれるダ・ビンチ独自の画法のしくみが、何の解説もなく展示されているのも興味深いものでした。そのほかエジプト王のお棺の部屋、ルーブルの目玉となる2つの彫刻、勝利の女神 「サモトラケのニケ」、愛の女神 「ミロのビーナス」 のミニチュアもあって、この狭い空間に、よくぞ 「ルーブルのさわり」 を表現したものだと、企画者の意図に感銘しました。そして、こういう複製画であっても、子どもたちに名画の数々にふれさせる場所があちこちにあってほしいものという思いを、再確認したものでした。

なお、 「ジブリ美術館」 の一般展示の内容、チケットの入手方法などは、ホームページに詳しく載っています。

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