児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ

30歳で独立、31歳で出版社(いずみ書房)を創業。 取次店⇒書店という既成の流通に頼ることなく独自の販売手法を確立。 ユニークな編集ノウハウと教育理念を、そして今を綴る。

セサミえいごワールド

9679c8a1.JPGトーキングカードという磁気の貼られたイラスト付カードを、リピーターという機械に通すと、スイッチが入ってカードが動きだし、5、6秒間声が聞こえ、終わると自動的にスイッチが切れるというシステムがある。世界のソニーを育て上げたことで有名な井深大氏が、1970年代に開発、販売を開始した。幼児向け英語教材にうってつけだということで、以来、さまざまな会社がハードやソフトを開発し、幼児英語の分野では、20年以上もの長い間、子どもをもつ母親らに支持されてきた。しかし、この磁気を貼ったカードには、次のような欠点がある。

(1) ゆっくり流れるテープの音を再生するため音質に限界がある。
(2) 何度も通すうちに、音のひずみが生じる。
(3) モーターを使ってカードを移動させるために、モーター音が雑音として聞こえる。
(4) 動くカードを、子どもが待てずに引っぱると、音が消えてテープに傷がつく。

セサミえいごワールド」の総合セットを企画する際、当方の希望は、映像に登場する基本的な単語や会話表現を、トーキングカード型のリピートカードにすることを提案した。しかし、従来型のリピートカードの欠点を解消したハードを開発しない限り、セサミワークショップの許容基準外になり、承認が得られないことがわかった。

当社は、大手電機メーカーS社の協力を得て、1年半もの時間をかけ、デジタル化したトーキングリピーターの開発に成功した。この機械の最大の特長は、イラスト入りカードをハードの溝に落とすだけで、センサーが瞬時に音を読み取るため、カードをすぐに引き出してもクリアな音を再生する点にある。音声は、コンパクトフラッシュという35×40×3mmの小さなチップに収められ、CD並みの高音質を実現した。さらに、ネイティブの音声と対話を楽しんだり、ネイティブのお手本を真似ながら自分の声を録音したりして遊べるし、カードを裏返して溝に落としても表と同様に読み取ることができるという、セサミワークショップのお墨付きがもらえたすぐれものである。わずか650gという軽量化にも成功し、その機能及びデザインは、2003年のグッドデザイン賞にも輝いた。

世界中の子どもや親たちに大人気の「セサミストリート」は、1969年、アメリカで誕生した教育番組である。アメリカの1960年代というのは、政治的にも経済的、文化的にも充実した時代で、世界の超大国として自信と活気に満ちあふれていた。しかし、一方では、黒人やヒスパニッシュらに対する人種差別や貧困があり、しいたげられた人々による犯罪が多発し、大きな社会問題になっていた。そんな犯罪者たちの子どもの多くは学校に通っておらず、そのため文字は読めず、数もかぞえられない、物事の善悪や社会的なルールも教えられていない、という現実があった。当時、そんな子どもたちの最大の楽しみは、テレビを見ることだった。

「テレビを通して、学校へ通わない子どもたちを教育しよう。子どもたちをテレビにくぎづけにしてしまうほど、楽しい教育番組をこしらえて…」。こうして、フォードやカーネギーといった大企業が資金を出し合って財団を作り、「テレビによる子どもの学校」をめざして制作されたのが「セサミストリート」である。アメリカを代表する教育心理学者や言語学者たちが集まり、討論に討論を重ねて練り上げたカリキュラムを基本にしている。セサミストリートに登場するマペットたちは、肌の色もさまざま、容姿や大小も千差万別である。怖いものの代表でもあるドラキュラ伯を模した数を教えるカウント伯、ごみ箱に住むあまのじゃくのオスカーなど、肌の色の違いや、障害、容姿やものの考え方の違いを越え、あらゆる人々が安心して快適に生活できる「バリアフリー」の精神を、子どもたちにごく自然な形で教えていきたいという意図があるからなのだろう。

ちなみに「セサミ=sesame」とは、胡麻(ごま)のことである。アラビアンナイトの話に出てくる「アリババと40人の盗賊」の「ひらけ! ごま(Open, sesame!)」から名づけられた。この呪文で宝物が隠してある洞窟の扉が開かれるように、セサミストリートを通じて、子どもたちが[新しい世界や知識の扉を開いて欲しい]、そして[平和で豊かな社会を愛する心を育んでほしい]という願いがこめられているのだという。
1970年にはじまったフジテレビの人気教育番組「ひらけ! ポンキッキ」も、この「セサミストリート」をお手本に制作したと、プロデューサーの一人は語っている。



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いずみ書房」では、小学館発行「マミイ」「ベビーブック」「めばえ」、講談社発行「げんき」「おかあさんといっしょ」、ベネッセ発行「ひよこクラブ」「こっこクラブ」など、毎月、10誌前後の幼児雑誌にカラー1ページの広告を載せている。ニューヨークにあるセサミワークショップが制作する子ども向け人気番組「セサミストリート」の映像をもとに、英語を母国語としない国向けに新制作された「セサミえいごワールド」という家庭用英語教材のPRのためである。



この教材は2002年の秋に完成したもので、当社が販売を一手に引き受けている。綿密に練りぬかれたカリキュラムを基に1話15分・全52話、計13時間近い映像を中心に、映像と連動しネイティブと対話が楽しめるリピートカードや絵辞典などを含めた総合学習システムのため、比較的高価な教材であり、とりあえず「資料を無料で差し上げます」というアナウンスをし、資料請求をしてくれた方へ、B4判・16ページのカタログの他、内容を紹介した映像(サンプルビデオまたはDVD)や、アルファベットポスター、小冊子「子どもは語学の天才」などを送付してきた。しかし、幼児英語教材の業界は、大手の参入が続き、ますます激戦の様を呈してきている。「さすがは世界のセサミ」と思わせるこだわりの教材内容は、どこにも負けないと自負しているが、請求をしてもらえなくては始まらない。



 そのため、本日発売の雑誌から、[風船のようにふくらませる主人公ティンゴの「だっこ人形(↓)」を全員にさしあげます] を加え、「トリプルプレゼント・キャンペーン」を開始した。うまく、資料請求が増えることを願っている。




ティンゴだっこ人形



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