児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ

30歳で独立、31歳で出版社(いずみ書房)を創業。 取次店⇒書店という既成の流通に頼ることなく独自の販売手法を確立。 ユニークな編集ノウハウと教育理念を、そして今を綴る。

会社の歴史

ロンドンのホテルに到着するまでの、悪夢のような苦闘物語の後は、まさに旅の楽しさ、醍醐味を満喫しました。

3日目のレディバード社の訪問 (2006年2月27日ブログ参照) では、マルコム・ケリー社長以下重役陣の暖かい出迎えを受け、いかにもイングランドらしい落ち着いた雰囲気の小都市ラフボローの郊外に、3000坪という大規模な敷地に、ゆったりとたたずむ本社オフィス、印刷工場、製本工場などをじっくり見学させてもらいました。午後は、おとぎ話に出てきそうな、由緒ある中世のお城を改造したすばらしいレストランで大歓待を受けたのは、先に記した通りです。

その後、ローマ市内にあるバチカン市国の世界最大の教会 「サンピエトロ寺院」 に度肝をぬかれ、バチカン美術館の1キロも続く美の回廊や、ミケランジェロの大作のあるシスチナの礼拝堂の天井画や壁画に圧倒されました。マドリッドの 「プラド美術館」 では、ベラスケスやゴヤらの大作の数々に心打たれ、古都トレドの大聖堂ではスペインの大航海時代の宝玉殿や、トメ教会にあるグレコの代表作にも感銘しました。

そして最終日の夜、マドリッドの王宮の近くにあるタブラオで、本場の 「フラメンコ」 に出あったのでした。目の前の舞台で演じる迫力ある踊り、タップをはるかに越えたすさまじい勢いで床をたたきつける足技、何ともエキゾチックな歌とギターのコンビネーション……。2時間ほどがあっというまに過ぎ、全員大満足で帰国したものでした。

あの日に出あったフラメンコには、その後も日本でたびたび見る機会がありましたが、レベルの違いなのか、あれほど感動するものではありませんでした。2003年のスペイン旅行でも、グラナダのショーはそれなりに楽しめたものの、200人以上も入る劇場化した規模とマイクを通した歌声には多少違和感を持ちました。今回も、グラナダには 「洞窟フラメンコショー」 があるというので出かけてみましたが、うなぎの寝床のような穴倉に100人ほどすし詰め状態の中で観るショーは、いかにも観光地化しすぎているようで、なじめませんでした。

今回のマドリッドでも、最終日の前日にオプショナルで 「フラメンコショー」 があるというので申し込みました。もちろん、あのフラメンコの店だったらラッキーだし、もし不満足だったら、最終日の夜に、ガイドブックで目星をつけたあの店に行ってみようと思っていました。それが、まさにラッキー。20年前の店 「トレス・ベルメハス」 だったのです。アルファンブラ宮殿を擬した室内装飾を見たとたん、20年前の記憶がすぐによみがえってきました。そして、華やかで情熱的なショーは、あの日を彷彿とさせるもので、今回も参加者全員大満足だったことが、拍手や歓声そして表情から読みとれました。

マドリッドには、フラメンコを鑑賞できる店 (タブラオ) は、ピンからキリまで20~30個所もあるようです。中でも 「トレス・ベルメハス」 は必見、今回は現地ガイドに連れられて大型バスで案内してもらいましたが、最寄の地下鉄駅は 「ソル」、有名なデパート 「プエルタ・デル・ソル」 の裏手にあるようです。

なお、日本にあって本場のフラメンコを鑑賞できる 「タブラオ」 をご存知でしょうか。東京・新宿の伊勢丹会館6階にある 「エル・フラメンコ」 は、1967年創業以来、毎晩2回のショーが行われています。半年ごとに出演者全員が変わるようで、すでに1000名を越える人たちが来日しているそうです。うまくすると、本場以上の舞台が観られるかもしれません。

今回のツアー 「スペイン・ポルトガル旅行」 わがベスト10 「20年前に感動したフラメンコ」 に関連し、1988年11月末に体験した、初めての海外旅行について記したいと思います。

いずみ書房を創業してから12年目、念願だった英国レディバード社とタイアップが実現して、レディバードブックスの日本語版 「レディバード図書館」(27巻・別巻7) を皮切りに、初心者向け英語入門シリーズ 「キーワード英語教室」(12巻)、「レディバードブックス特選100点セット」 を刊行しました。でも、思ったほど売上が伸びずに苦戦していたため、思い切って 「ロンドン・ローマ・マドリッド観光とレディバード社工場見学コンテスト」 と銘打った、6か月間の売上を競うコンテストを実施することにしました。そして、優秀な成績を残した営業マン7名を引き連れて、初めての海外旅行へ旅立つことになりました。

今ならば、大手の旅行会社の主催する添乗員付きのツアーに乗って、何の苦労もなく行けたことでしょう。ところが、20年前にはそのようなツアーを実施しているところはなく、しかたなく国内旅行で世話になっていた地元の小さな旅行会社に、航空券の手配や現地ガイドのアレンジを依頼し、私が添乗員役をになう他ありませんでした。

当時、ヨーロッパへの直行便はなく、アラスカのアンカレッジを経由し、北極の上空を飛んで行くのが最短航路でした。午前中に成田を立ち、アンカレッジで給油をして、翌朝6時にロンドンのヒースロー空港に到着する予定です。ところが、何たることでしょう。アンカレッジに初雪が降って、給油だけのはずが、空港の待合室に3時間も足止めされてしまいました。さらに悪いことに、ロンドンが濃霧のためなかなか降りられないというのです。20~30分も上空を旋回していたようですが、ようやく9時頃到着することができ、入国手続きを済ますことができました。

でも、ちょっと様子が変なのです。待ってくれているはずの現地ガイドがいません。問い合わせてみると、到着したのがロンドンではなく、「バーミンガム」 だというではありませんか。航空会社の 「英国航空」(ブリティッシュ・エアウェイ BA) では、ロンドンの霧が深すぎて降りられず、急遽空港をバーミンガムに変更して着陸、バスで乗客全員をロンドンのヒースロー空港へ送迎することにしたようなのです。みんなに午前中に予定していたロンドン市内観光は中止せざるをえなくなったこと、バスでロンドンへ向かうことを伝えましたが、なかなか空港につきません。後からわかったことですが、バーミンガムはロンドンの北西150km、バスで3時間近くもかかるところにありました。

結局ヒースロー空港にバスが到着したのは、1時近くになっていました。ところが、さんざん探し回っても現地ガイドが見当たりません。困ってしまって、緊急の連絡先といわれていたところへ電話したところ、ガイドは 「ターミナル4」 に待機しているはずだといいます。降ろされたのは 「ターミナル2」 だったのです。 しかたなく、みんなで手分けしながら探しましたが、「ターミナル1・3」 はあるものの見当たりません。よくよく空港の人に聞いてみると、5kmも離れたところにあるといいます。そこで皆を待たせ、私一人タクシーをつかまえて 「ターミナル4」 をめざしました。とにかく大きな飛行場です。現地ガイドを見つけるのは至難のわざ。BAのスタッフに尋ねたところ、もしかしたらバスが待機しているかもしれないというので、バスの待機場所に向かいました。小さなバスが数台ありましたが、外に出ていたドライバーらしき人に尋ねたところ、「アイト?」 といいます。Eight? つまり 「8人か」 という意味だとわかり、「イェス、Yes」 と答えると、「OK. Wait a moment!」 といって、ガイドを探しに飛び出していってくれました。

「ああ、地獄に仏」。こうして現地ガイドと出会え、みんなをバスに乗せることができたのは、すでに午後3時をまわっていました。(以下次回)

1983年の2月に設立した「日本読書クラブ」は、いずみ書房の営業スタッフが中心となって、普及活動を開始した。これまで、いずみ書房のオリジナル商品だけを販売していた人たちにとっては、これまで販売したことのないたくさんの図書を取り扱うことになった。日本を代表するような出版社から刊行されている百科事典や文学全集、図鑑、美術全集など、どういう特徴のある内容なのか、どのような利用の仕方をすればよいのか、専門的な知識をもった上で勧めていく必要がある。前回、「日本読書クラブ」入会者へ全員に「日本読書クラブカタログ(本の価値と楽しみ)」をさしあげることを記したが、この小冊子は、会員のためであると同時に、普及する営業マンへの研修テキストでもあった。

�@百科事典 �A学習事典 �B歴史 �C美術 �D音楽 �E児童文学 �F図鑑 �G伝記 �H文化地理 �I文学 �J家庭百科 �K辞書 以上12項目からなっており、次回よりこの内容を順に紹介してみよう。

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「はじめに」読書運動はあなたの力で育ちます

いまの日本では、毎年、平均3万点もの新刊書が出版され、わたしたちは、おびただしい本に恵まれています。しかし、出版量の増とは逆に、国民全体の中の読書人口も読書の量も、このところ年を追って少なくなってきています。

そこで、この「日本読書クラブカタログ(本の価値と楽しみ)」では、わたしたちの教養や生活ともっともかかわりの深い12分野の本(とくに全集・シリーズもの)について、それは、「読者に何を伝え、何を楽しませ、何を教えてくれるか」、それらを読むことは「なぜ、たいせつか」、家庭で購入図書を選ぶとき、あるいは、家族で利用するときは「どのようなしせいが望ましいか」などについて、考えてみました。良書の普及によって、各家庭の文化環境がととのい、ものごとを心豊かに見つめ、心豊かに考える人がふえ、そして、日本読書クラブの読書運動が一歩でも二歩でも前進することを、希求するからです。

本を読む人が一人でも多く、本に親しむ家庭が一軒でも多くなることを願う日本読書クラブの読書運動は、読書クラブを通じて購入される図書の収益金によって推進されることをご理解のうえ、この文化運動にご協力くださいますよう、お願いいたします。

1983年2月、「日本読書クラブ」の設立と同時に、会報「月刊日本読書クラブ」の創刊号(B5判24ページ)を発行した。そして、1日に掲載した「入会のすすめ」は次のように、締めくくった。

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● 会員の特典を生活に生かしてみませんか。
日本読書クラブ会員の特典を、生活のなかに生かしてみませんか。読書クラブ主催の行事に特別条件で優先的に参加できます。合同読書会などへの講師の派遣を、日本読書クラブへ要請することもできます。自作童話や絵本の出版の機会を得ることもできます。「月刊日本読書クラブ」を通じて、読書、出版、教育、生活に関する情報と知識を得ることができます。

入会金600円、月会費100円 (1年間分前納1000円)。 入会者には、「日本読書クラブカタログ[本の価値と楽しみ]」(B5判120ページ) 、「月刊日本読書クラブ」年間ファイル、「会員証」をさしあげます。また、「月刊日本読書クラブ」を毎月お届けいたします。なお、運動にご協力をいただいて、「日本読書クラブ」推薦図書をご購入いただいた方には、入会金免除のほか、1年間無料で「月刊日本読書クラブ」をお届けいたします。

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昨日は、風邪のための休刊となってしまいました。お見舞いのメールをたくさんいただきこの場を借りて御礼申し上げます。1日半で元気になりました。本日出社して「予告なしで初めて休刊」と書こうとしたら、いずみ書房のスタッフが掲載していたので、ウイークディの連続記録は途絶えずにすみました。(ソンナニ自慢スルコトデモナイカ)

1983年2月、新しい型の読書運動の組織「日本読書クラブ」を設立した。事務局を「いずみ書房」の社内に置き、理事長に「せかい伝記図書館」の執筆の中心となってくれた童話作家の有吉忠行氏にお願いした。氏は、全国学校図書館協議会の編集部長を歴任し、「ブッククラブセンター」という読書運動の世話人の一人として活動された方だったので、その役にはうってつけだったといえる。従来の読書運動というのは、主として読書好きの人を対象としていたが、「日本読書クラブ」は、これまであまり活字に親しむ習慣のない親子を掘り起こすことを主たる目的にした。そして、次のような「日本読書クラブ入会のすすめ」をこしらえた。

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● 読書クラブインストラクターが各家庭へおうかがいします。
本を読む人を、1人でも2人でもふやしていく。本を読みあうことを通して、親と子の心が通いあったあたたかい家庭を、1軒でも2軒でもふやしていく。読書により、ものごとを豊かに考える習慣を身につけた人びとの力を結集して、人間が人間らしく生きていくことができる社会を、すこしずつでもきずいていく。このような願いをもつ「日本読書クラブ」では、各地、各家庭へ、専門のインストラクターを派遣します。たんに、母親へ親子読書などをすすめるだけでなく、各家庭での読書相談にも応じながら、個人読書から集団読書へ、さらには地域ぐるみの読書運動へと、読書の輪をひろげていこうというものです。

● 子どもに読書の贈りものをしてみませんか。
それは「本を読む楽しさ」という贈りものです。いやでも受験戦争にまきこまれる、いまの日本の子どもたちは、あまりにもかわいそうです。心の花がしぼんでしまいます。せめて本の世界で、あたたかい夢、美しい夢をふくらませてやりましょう。人の悲しみがわかる、やさしい心を育ててやりましょう。そして、人間としてのほんとうの幸せをつかませてやりましょう。本は、無上の宝です。

● 親子読書で心の交流を深めてみませんか。
家庭で親子読書をすすめてみませんか。1冊の本と少しの時間があれば、すぐ今からでもできます。「この本、おもしろかったねわねぇ」、たったこの一言で、親と子の心の結びつきもふかまっていきます。

● 読書会で仲間の輪をひろげてみませんか。
本を読む人と手をつないでみませんか。読書の楽しみを知ったら、身近な人に「あなたも本を読んでみませんか」「いっしょに本を読んでみませんか」と、語りかければよいのです。いつのまにか、すばらしい仲間をもつことができます。集団思考によって読書を深めることができます。自分の考えを発表する習慣も、人の意見を尊重する習慣も生まれます。親子読書会、子ども読書会では、子どもにも、それを期待できます。

● 自作の童話や絵本を発表してみませんか。
読書会の喜びや、本に心をうたれた感激などを、人に伝えてみませんか。自分がつくった童話などを、発表してみませんか。1人の感激、1人の発表が波となって、文化運動の輪がひろがっていきます。また、書くことをとおして自分の思考も深まり、発表によって自分への自信も生まれます。

● 地域の文化運動に参加してみませんか。
各地での講演会、読書クラブ大会、著者を囲む会、合同読書会の開催、関係施設への図書寄贈運動の推進などに、少しでも力を貸してみませんか。文化運動への参加によって、自分をみがいていくことができます。生活の幅をひろげることができます。社会への貢献によって、親を見る子どもの目を変えさせることができます。

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