児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ

30歳で独立、31歳で出版社(いずみ書房)を創業。 取次店⇒書店という既成の流通に頼ることなく独自の販売手法を確立。 ユニークな編集ノウハウと教育理念を、そして今を綴る。

2008年07月

今日7月2日は、鎌倉時代末期・南北朝時代に活躍した武将で、後に室町幕府を開いた足利尊氏と対立した新田義貞(にった よしさだ) が、1338年に亡くなった日です。

新田義貞は、鎌倉時代の終わりころから南北朝時代にかけて活躍した武将です。上野国(群馬県)新田で、源氏の一族として生まれました。同じころ、となりの下野国(栃木県)足利では、やはり源氏一族の足利高氏(尊氏)が生まれています。

新田氏も足利氏も、鎌倉幕府に仕える有力な御家人でした。しかし、足利氏が幕府の政治をつかさどる北条氏と親戚関係をむすんで、重要な職についていたのにくらべて、新田氏は幕府に冷たくあつかわれ、北条氏に不満をいだいていました。

1333年、義貞は、後醍醐(ごだいご)天皇に仕えて幕府にそむく楠木正成(くすのき まさしげ) を討ちに、幕府の命で河内国(大阪府)の千早城に向かいました。

ところが、戦のじょうずな正成の守りがかたいのを見た義貞は、病気といつわって、戦いの中途で新田へ帰ってしまいました。北条氏の命令どおりに動くよりも、世の中の動きをよく見つめて、自分にとくな行動をとることにしたのです。

「敵は、北条だ。幕府をたおしてしまえ」

同じ年の5月、義貞は兵をあげました。高氏が幕府に謀反をおこして天皇に味方するようになり、義貞にも 「幕府を討て」 という、天皇の命がとどいたのだろうといわれています。
 
義貞の軍は、鎌倉へ進むうちに味方がふえ、みるみる大軍になりました。しかし、鎌倉は三方が山にかこまれ、かんたんには攻め込めません。義貞は海岸ぞいに稲村ヶ崎から七里ヶ浜へ進み、海がわから、一気に攻めかかることにしました。このとき、海に刀を投げ入れて神に潮がひくのをねがい、味方の兵を勇気づけたと伝えられています。

義貞は、鎌倉に攻め入って北条氏の一族を討ち、幕府をたおしました。そして後醍醐天皇の新しい政治が始まると、その手がらによって、京都を守る武者所頭人(長官)に任じられました。

1335年、こんどは尊氏と戦うことになりました。鎌倉にもどっていた尊氏が、自分の力で新しい幕府をつくるために立ちあがったからです。義貞は、天皇の命で出陣しました。

義貞は、箱根での戦いには負けましたが、京都へ追ってきた尊氏を、遠い九州へ追いはらいました。ところが、つぎの年には、ふたたび京へ攻めのぼってきた尊氏の大軍に、生田ノ森(神戸市)の戦いでやぶれてしまいました。

義貞は、かならず、京へもどってくることを心に秘めて、越前国(福井県)へのがれました。しかし、その夢は果たせませんでした。尊氏に味方する斯波高経に敗れたのです。その後、征夷大将軍になった尊氏にくらべ、あまりにも非運な武将でした。

なおこの文は、いずみ書房「せかい伝記図書館」(オンラインブックで「伝記」を公開中) 22巻「親鸞・日蓮・北条時宗」の後半に収録されている7名の「小伝」から引用しました。近日中に、300余名の「小伝」を公開する予定です。ご期待ください。

たまには子どもと添い寝をしながら、こんなお話を聞かせてあげましょう。 [おもしろ民話集 46]

むかしあるところに、とても可愛らしい少女がいました。ところが、お父さんもお母さんも亡くなり、お金もなく、家も、寝るベッドもなくなってしまいました。そしてとうとう、着ているものと、情け深い人にめぐんでもらったパンが一切れだけになってしまいました。(このパンは明日食べましょう。だって、今食べてしまったら、明日は何にもなくなってしまうもの) そう考えて、野原へ出ていきました。

すると、向こうから男の人がふらふらふ歩いてきました。「私は、もう何日も食べていません。何か食べものをめぐんでくれませんでしょうか」。心のやさしい少女は、大事に持っていた一切れのパンを、男の人にあげてしまいました。

やがて少女は、道端にしゃがみこんで泣いている男の子を見つけました。「寒くてこごえそうです。帽子をくれませんか」。かわいそうに思った少女は、かむっていた帽子を少年にあげました。

少しいくと、こんどは上着も着ないでふるえている子に出会いました。少女は (この子より私の方がましだわ) と、上着をあげてしまいました。

そのうち、森の近くへやってきました。あたりはもう暗くなりはじめています。そこへ裸の小さな男の子が出てきて、下着がほしいといいます。少女はこまってしまいました。でも、(もう暗いし、誰にも見られないわ。この子にあげよう) と、男の子に着せてあげたのです。

暗くて寒い真っ暗な森の中、少女は素っ裸で立っていました。すると、空がパッと明るくなり、星がパラパラと落ちてきたのです。でもよく見ると、それは星ではなく、金貨でした。そして、ふと気がつくと、少女はいつのまにか飛びきり上等の服を着て、はだしの足に真っ赤な靴と、頭には羽飾りのついた帽子をかむっていたのです。

心のやさしい少女に、神さまが奇跡をおこしてくれたのでしょうか。

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