児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ

30歳で独立、31歳で出版社(いずみ書房)を創業。 取次店⇒書店という既成の流通に頼ることなく独自の販売手法を確立。 ユニークな編集ノウハウと教育理念を、そして今を綴る。

2007年11月

たまには子どもと添い寝をしながら、こんなお話を聞かせてあげましょう。 [おもしろ民話集 21]

冬が近づいたある日、キツネとカワウソがばったり会いました。すると、キツネが言いました.
「これはいいところで行きあった。どうだい。夜は長いし、これから、お互いに、よばれあいっこをしようじゃないか」         
正直もののカワウソは 「いいとも」 と答えました。キツネが 「よばれるのは、おれが先だぜ」 と言うと、やっぱり 「いいとも」 と答えました。

さっそく次の日、カワウソはたくさん魚をとってきて、キツネを招きました。キツネは、ひょいひょいやってきました。そして腹がはちきれそうになるまで食べると、のったりのったり帰って行きました。

次の日は、カワウソがよばれる番です。カワウソは 「なにを食わせてくれるのだろう」 と楽しみに、キツネのところへ行きました。 
ところがキツネは、なんにもしていません。
「きょうは山の神さまのお使いでいそがしくて、ごめん、あしたね」
カワウソは 「それは、たいへんだったね」 と言って帰りました。
ところが次の日の夜も、キツネは同じことを言うばかりです。「きょうも山の神さまのお使いでいそがしくてね。神さまの言いつけだもの、しかたがないんだ」
カワウソは、キツネのうそに気がつきました。でも、腹をたてずに、「それはたいへんだったね」 と言って帰りました。

さて、次の日、キツネがやってきて、カワウソにたのみました。
「あしたは、きっとよぶから、魚のとり方を教えてくれないか」
カワウソは、ちょっと考えてから答えました。
「ああ、そんなこと簡単だよ。夜なかに川に行って、しっぽを水にひたしておくんだ。すると、魚が寄ってきて、しっぽに食いつくんだ。うんと食いつかせておいて、しっぽを持ち上げればつれるよ」
これを聞いたキツネは 「ふん、魚のとり方のひみつを教えるなんて、カワウソもばかなやつだ」 と笑いながら帰って行きました。そして、夜おそく川へ行くと、しっぽを水につけました。しばらくすると、しっぽの先になにかがぴたっとくっつきはじめました。 「しめしめ、魚がどんどん食いついてくるわい」 キツネは、むねをわくわくさせながら、そっと、しっぽをもちあげてみました。もう、もちあげられないほどです。キツネは、もっと、もっとと、がまんしました。

やがて、夜が明けてきました。
キツネは、そっと、おしりをもちあげました。ところが、しっぽは動きません。
「うふふ、こいつは大漁だぞ。よし、いっぺんにつりあげてやれ」
キツネは 「そ一れっ」 と、しっぽを引きあげました。ところが、しっぽがちぎれてしまいそうで、思わず悲鳴をあげました。はじめにぴたっ、ぴたっと食いついたのは、川の水がこおった氷のかけらです。そして、夜明けになると、きつねのしっぽにかみついたまま、川じゅうの水がこおりついてしまったのです。
「こいつは、こまったぞ、人間に見つかったら、キツネ丼にされてしまう」
キツネは、なんども、おしりをもちあげたり、おろしたりしていましたが、とうとう、しっぽの皮をひんむくと、いててて…いててて…、泣きべそをかきながら山へ帰っていきました。

今日11月14日は、イギリスの植民地だったインドを独立に導き、インド発展に全力を注いだネルーが1889年に生まれた日です。インドの人たちにとっての今日は、偉大なネルーの誕生を祝う日であるとともに、「子どもの日」 にもなっています。

ネルー家は、インドのカースト制度ではいちばん上の、バラモンという家がらです。父は名だかい弁護士で、しかもたいへん教養のある人でした。ひとり息子のネルーは、プールのある大きなやしきで、たくさんの召使いや家庭教師にかこまれながら、めぐまれた少年時代をすごしました。

15歳のときには、イギリスに渡り貴族の学校として有名なハロー校で学んだのち、名門のケンブリッジ大学にすすみました。法律を学び、弁護士の資格をとってインドに帰ったのは、1912年のことです。

そのころのインドは、イギリスの支配に苦しんでいました。そこでネルーは、イギリスからの独立を旗じるしにした国民会議派に加わりました。

第1次世界大戦後に、ネルーは国民会議派のリーダー、ガンジーに会い、その人がらや考え方に深い感動を受けました。

1920年、ネルーはなかまたちといっしょに、インドの農村をまわったときのことを、次のように記しています。

「わたしを見てかけよってきた村人たちの顔には、長いあいだの貧しさがしみついていた。ボロをまとい、飢えに苦しみ、心をとざして悲しい生活をしているインドの人びと。この国の貧しさ、みじめさをまのあたりにして、わたしは自分が強く責められる思いがした」

地主からどれいのようにこき使われ、苦しんでいる農民のほんとうのすがたを見たのです。ネルーがインドの独立と国づくりのために全力をつくすようになるのは、それからでした。

イギリスは独立運動に激しい圧力を加え、ネルーは何回となくとらえられ刑務所に入れられました。しかしネルーの情熱と指導力は、おおくの人びとを支えました。やがてネルーは国民会議派の議長に選ばれてガンジーを助けるようになりました。とかく理想にかたむきすぎるところのあるガンジーの考えを、ネルーはインドの現実に合わせたやり方でおぎないました。

第2次大戦後の1947年8月、イギリスはついにインドの独立を認め、インド連邦が誕生しました。

首相と外相をつとめることになったネルーは、世界が資本主義国と社会主義国とに分かれて勢力を張りあうことになっても、どちらにも加わらず、対立をやわらげるために活躍しました。

貧しい農業国のインドは、独立後もむずかしい問題を山ほどかかえていました。インドを独立に導いたネルーは、こんどは安定した国づくりに情熱をささげ、1994年、74歳で亡くなりました。

以上の文は、いずみ書房「せかい伝記図書館」(オンラインブックで「伝記」を公開中)17巻「アインシュタイン・ヘレンケラー・チャップリン」の後半に収録されている7名の「小伝」から引用しました。近日中に、300余名の「小伝」を公開する予定です。ご期待ください。

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 58

お互いのわが子を、同じ保育園あるいは幼稚園に通わせている母親が集まったとき 「〇○ちゃんって、とっても変わってるみたいね。小さくて無口なのに、みんなにのけものにされると、すぐ乱暴するそうじゃないの。先生にしかられると、黙って帰ってしまうこともあるそうよ」 などと話しているのを耳にすることがあります。

しかし、これは少しおかしなことです。「とっても変わっている」 というのは、何とくらべて変わっているというのでしょうか。おそらく、まわりと比較してのことでしょうが、はたしてそれで変わっていると決めつけてよいものでしょうか。
「変わっている」 その人自身の内側を十分に知ることを怠っておいて、「まわり」 という実にあいまいな物さしで 「変わり者」 にしてしまう。これは、とてもおかしなことです。
また、このようなうわさを口にする母親の気持ちの中には 「うちの子は変わり者でなくてよかった」 という思いがひそんでいることが少なくありません。

少しばかり極論かもしれませんが 「変わっている」 というのはそれだけ個性がある、逆に言えば 「うちの子はみんなと同じ」 と言うのは個性に欠けるということでもあります。人間はいくつになっても、常に変わっていくものです。もしも、「変わっている」 と言われたとしても、これらのことをよく見きわめ、「まわり」 という物さしに引きずられないように心がけたいものです。     

 

昨夜遅く、マレーシア旅行から無事帰国いたしました。
12日ぶりに会社へ出て、メールをチェックしましたら何と250件以上も入っています。チェックするだけで2時間以上もかかってしまいました。

無味乾燥なメールや、メルマガが多い中、多少ひいき目で見ているせいかもしれませんが、ヘンリーおじさんのSNSサイト 「ハイタッチ」 はとても充実しているように思います。毎日さまざまな人の書く日記に対し、その感想を書きあうその内容は実に心温かくて興味深く、特に子育て真っ最中の人たちが、日本語と英語を日常生活にうまく取り入れながら、それぞれの子育てを生き生きと記述するその姿に、感動してしまうことさえあります。

そして、学長のヘンリーおじさんも気合が入ってきて、当初は1週間に1、2度だった [これを英語で何というのでしょうコーナー] も、毎日のように出題されるようになっていて、11月に入ってからだけで、「ちょっとお。いい加減なこといわないで」「もういいかい/もういいよ」「いっそのこと」「さすが~」「夜に備えてランチは軽く済まそう」「どれもイマイチ」「なかなかの盛り上がり」など、すでに10問も出題されていて、まさに [なかなかの盛り上がり] を見せています。
ちなみに、この問いに対するヘンリーおじさんのコメントは次の通りです。
[基本は、excited でしょう。エキサイトするほど盛り上がるのですね。さすがに、excited とか、exciting を使った方が多かったですね]

学校ではあまり教えてくれない英語、でも日常会話ではしょっちゅう出会う英語表現を、やさしく簡潔な言葉を使って的確に教えてくれる「ハイタッチ」は、まさに子どもから老人まで、気軽に参加できるサイトに育ってきたように感じます。

週2回発信されている「ヘンリーおじさんの音の出るメルマガ」とあわせて、利用し続ければ、相当の英語力が身につくこと間違いありません。

↑このページのトップヘ