児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ

30歳で独立、31歳で出版社(いずみ書房)を創業。 取次店⇒書店という既成の流通に頼ることなく独自の販売手法を確立。 ユニークな編集ノウハウと教育理念を、そして今を綴る。

2007年05月

前日(5/30号)に続き、25年ほど前に初版を刊行した「子どもワールド図書館」(38巻) 第26巻「アメリカ(2)」 の巻末解説と、その後の変化を記した補足事項を記します。

「アメリカ (2)」 について

アメリカ合衆国は、本土の48州とアラスカ、ハワイの2州を加えた50州、それに首都地区 (コロンビア区) とプエルト・リコ、バージン諸島、グアム島などの海外領土から成る連邦共和国です。およそ936万平方キロメートルの国土に、*約2億3000万人の人びとが暮らしています。
*2006年10月、人口3億人を突破しました。

広大な国土と豊かな資源に恵まれているうえ、すぐれた科学技術をもつアメリカは、なんでも「世界一」が好きな国です。世界一の立体ハイウェー、世界一の屋内競技場、世界一の遊園地、世界一の超高層ビル……と、超大国を誇る世界一が、数かぎりなくあります。暮らしやすさも、世界一だといわれます。事実、世界の工業生産の60%近くを占めるアメリカは、資本主義の国ぐにの、豊かさのモデルになっています。とくに、第2次世界大戦後、アメリカの占領下に置かれた日本は、政治、経済、文化、教育のあらゆる面で、大きな影響を受け、生活様式が、がらりと変わりました。GI刈りや警察官のパトロール制度、セルフサービスシステム、ファッション、都市計画にいたるまで、戦後の日本には、アメリカの流行がいち早く伝えられ、よくも悪くも「いま、アメリカでは」を追いかけることによって、経済成長を続けてきました。テレビ、電気冷蔵庫、電気洗たく機、電気掃除機をはじめ、電機製品のめざましい普及も、生活の合理性を追求する、アメリカをみならってきたといえるでしょう。

しかし、その強大で恵まれたアメリカも、つぶさに見ると、数多くの問題をかかえています。その第1は、富める超大国であるはずのアメリカが、じつは世界でもっとも貧富の差が大きい国だということです。大都市のスラム街には、その日の生活に困る人たちが、たくさん住んでいますが、社会福祉の拡大には、国民のあいだに根強い反発があって、なかなか救済できずにいます。それは、金持ちは努力した結果であり、貧乏人は怠けて成功しなかった結果だという、アメリカ人の価値感に根ざしているといわれます。こうした価値感が、人の才能や勤勉さを、収入の多い少ないで判断する「金銭万能」の風潮を生みだしています。アメリカで、プロスポーツが盛んなのも、スター選手が英雄的なあつかいを受けるのも、才能イコール収入という価値感を端的に物語っているといえるでしょう。また、世界の指導国である自信に満ちたアメリカが、理想としてのデモクラシーを、世界じゅうに強制輸出しようとしたことも、アメリカの社会構造に、暗い影を落としました。

アメリカは、世界全体をアメリカ化する手段として、経済援助を惜しみませんでしたが、同時に軍事援助も半強制的におこなってきたのです。2000におよぶ軍事施設を海外へもち、60か国でCIA (中央情報局) に秘密活動をさせてきました。この力による平和達成が、アメリカをベトナム戦争へ介入させました。しかし、得るもののない、みじめな結果だけを残しました。アメリカの大学生の50%が、マリファナの経験者といわれるようになったのも、ヒッピーの出現も、若者たちが、ベトナム戦争で自国の進路に自信を失ったのと、技術文明に支えられた、没個性的社会への、反発のあらわれだといわれています。ケネディ大統領 (第35代) の暗殺を境に、アメリカは 「病める超大国」 といわれるようになりましたが、まだ、一般的には健康なエネルギーが存在しています。国民のあいだで、建国の原点へもどって、再出発しようという気運が急速に高まっていることが、それを如実に示しています。アメリカの若者たちは、きっと、21世紀の理想の社会づくりをめざしてがんばっていくでしょう。

補足事項
1991年のソ連の崩壊により、米ソ2大国による冷戦が終わり、アメリカは世界でただひとつの超大国になりました。その結果、「世界の警察」を自認するようになり、米軍を中心とした多国籍軍がイラクに大規模な航空攻撃を加えて始まった湾岸戦争など、各国の紛争や戦争に積極的に派兵しています。特に中東地区の紛争では、明らかにイスラエルに味方する戦術により、イスラム諸国から大きな反発をかってきました。
2001年9月11日、イスラム過激派による同時多発テロ事件がおきました。ハイジャックされた4機のジェット機が、ニューヨークのシンボルともいえる世界貿易センタービル(ツインタワー)やペンタゴン(アメリカ国防総省)などに意図的に激突し、約3000人もの犠牲者をだしました。過去の戦争において、アメリカ本土に攻撃を受けたことのない政府のショックは大きく、報復のためにアフガニスタンに侵攻したり、「テロ支援国家」としてイラク、イラン、北朝鮮を名指しで非難、2003年には大量破壊兵器を保有しているとしてアメリカ主導によるイラク戦争をおこしました。この戦争は、国連決議に反する強引な行為であったため、世界中で反米感情の高まりを引き起こしました。戦争は勝利宣言したものの、イラク国内は内戦状態・無政府状態にあり、アメリカ兵の死者が2006年10月までに2500人を超えたといわれ、アメリカ国内で政府非難の声が急速にあがりはじめました。

前回(5/14号)に続き、25年ほど前に初版を刊行した「子どもワールド図書館」(38巻) 第25巻「アメリカ(1)」の巻末解説を記します。 

「アメリカ (1)」 について

アメリカは広大な国です。*ソビエト、カナダ、中国についで世界第4位ですが、日本のざっと25倍もの広さがあります。ロッキー山脈だけで、日本列島がすっぽり入ってしまいますし、五大湖のひとつ、スペリオル湖が北海道とほぼ同じ大きさといえば、アメリカがいかに広大な国であるかがよくわかります。
*ロシア共和国

アメリカの北と南、東と西では、まったく気候風土がちがいます。北は北極圏のなかにあり、南は熱帯、内陸は砂漠気候といった具合です。おなじアメリカ国内でも最高7時間もの時差があります。空港に防寒服を着込んだスキー帰りの人がいるかとおもえば、ビーチスタイルの人もいるといった光景が見られるのも日本とちがうところです。

そのアメリカがイギリスの植民地から独立したのは、いまから、わずか200年前のことです。しかし、民主主義の成文憲法をもつ国では、世界でもっとも古い国です。フィラデルフィア憲法制定会議からつくりだされた新しい共和政治は、近代世界のモデルになっています。アメリカは自由と平等、個人の基本的人権を尊重する民主主義の国です。自由を愛する精神は、イギリス本国の迫害をのがれ、新大陸へわたって植民地をつくったピューリタンの影響を、今日にまで受け継いでいるからだといわれます。アメリカは、英語でユナイテッド (連合) ステーツ(州) といいます。つまり州の集合国ですが、日本の都道府県とアメリカの州の性格は、きわだったちがいがあります。アメリカでは州の自治がおもんじられ、国と州の役目がはっきりわかれています。州ごとの法律があって、教育制度にもちがいがあります。州兵という制度もあります。州兵は州知事のもとにあって、州の自治を守る役目をもっています。これは植民地時代に、それぞれの植民地が自分たちの政府と民兵をもっていた名残です。

浅い歴史のなかで、すばらしい発展をとげたアメリカですが、一朝一夕に超大国に成長したわけではありません。独立戦争や南北戦争、きびしい自然と闘いながらのたゆまぬ開拓など、多くの困難を不屈の精神で乗り越えてきたからです。また、第1次、第2次世界大戦で戦勝国になり、しかも自国が戦場にならなかったことも、アメリカ経済を飛躍的に発展させる要因になりました。

広大な国土と豊かな資源を背景に、新しい技術の開発と活用によって、発言力の強い超大国となったアメリカですが、公害をはじめとする発展のひずみや複雑で深刻な、さまざまな問題も数多くかかえ 「悩める大国」 の一面ももっています。皮ふの色の違いによる人種差別もそのひとつです。とくに黒人差別はひどく、黒人人権運動の指導者キング牧師の暗殺や暴動など、つねに大きな社会問題になっています。ウォーターゲート事件によってさらけ出された大統領の権力の肥大化も国民の危機感を強めています。悲惨だったベトナム戦争も、大統領の権力肥大化が大きな要因となったからです。ベトナム戦争もウォーターゲート事件も、大統領個人の失敗や悪事では片づけられない、アメリカそのものの悲劇となっています。黒人差別が自由と平等の国に存在しているところにも、アメリカの矛盾と悩みがあります。

18世紀末のアメリカには、すばらしい人類の夢と人間解放の理想がありましたが、いま大きな曲り角に立っています。政治、経済、文化のあらゆる面で反省の時代を迎えました。しかしアメリカの偉大なところは、民主主義が危機に直面したとき、国民が敢然と立ち上がることです。開拓精神は、いまもずっと生き続けています。

*その後の歩みにつきましては、次回「アメリカ(2)」の巻末にまとめて記載します。

昨日、予定通りドイツ旅行より帰国しました。
北ドイツのリューベック、ハンブルクからスタートし、グリム童話「ブレーメンの音楽隊」で知られる古都ブレーメン、世界有数の大聖堂のあるケルン、ドイツワインを代表するライン河畔の小都市リューデスハイム、大学と古城で名高いハイデルベルク、城壁都市ローテンブルク、ロマンチック街道の人気スポット・ディンケルスビュール、ネルトリンゲン、世界を代表する名城ノイシュバンシュタインに近いフュッセン、ドイツ1美しい街といわれるバンベルク、高級磁器の故郷マイセン、ザクセン王国時代に宮廷文化が栄えたドレスデン、統一ドイツの首都ベルリンと、ドイツの主要都市や地域を12日間かけて周遊する旅でした。好天に恵まれ、14人という小規模なグループに、出国から帰国まで経験豊かな添乗員のアテンドと、ほとんどの街では現地のガイド付、おまけに自由時間が充分とれるという、ちょっと贅沢なツアーを満喫しました。

特に印象深かったのは2連泊した「ハンザの女王」リューベック。「ハンザ同盟」は、12世紀から15世紀の頃、北ドイツを中心にバルト海沿岸地域の貿易を独占した都市同盟で、リューベックはその中心的な存在でした。1492年にコロンブスがアメリカ発見するまで、ヨーロッパの経済圏を実質的に支配していたようで、そんな往時の面影が、500年以上たった今もひっそりと残されていることが評価されて、1987年世界遺産に登録されたそうです。トラヴェ川と運河に囲まれ、左右2キロ、奥行1キロという小さな島のような旧市街の美しさは格別なものがありました。おとぎの国に出てくるようなホルステン門をくぐると、どこまでも続く石畳、教会修道院などの7つの塔がそびえ、黒褐色のレンガがその重厚さを誇っています。静かな川の流れとの対比は絶妙なものがありました。

そして今回の旅行のハイライトは、最終日のベルリンフィルハーモニーの演奏会でした。当初は、ノイシュバンシュタイン城のふもとアルプ湖畔にある劇場で、城の建設者ルートヴィッヒ2世の生涯を綴るミュージカルを観賞する予定でした。ところが、最近劇場が閉鎖されたため、その代替としてベルリンフィルハーモニーコンサート観賞に変更になったということでした。世界一級の演奏が見られると期待してはいましたが、旅行中に、わずか3日間しかない小澤征爾指揮のチケットがとれたことを知り、その幸運に一行は驚きの歓声をあげました。氏のことは、2000年にウィーン国立歌劇場の音楽監督に10年契約をした日本を代表する音楽家であること、独特の指揮ぶりやカラヤンとの親交などをテレビ等を通して知ってはいました。ただ体調を壊し、ごく最近1年5か月ぶりに復帰したことを、新聞のコラムで読んだ記憶がありました。まさにその氏の指揮ぶりを目の前で体験することができたのです。2千数百人もの満席観客を魅了し、なめらかにそして踊るように指揮するその姿は実に感動的で、一行大満足の一夜でした。

それから、とっておきのお話。小澤征爾指揮のベルリンフィルハーモニーの演奏会を観賞する日の1時過ぎ、ベルリン繁華街の中華料理店で同行の兄猛夫夫妻と3人で食事をしているところに、何と小澤征爾氏がたったひとりで入ってきたのです。なんたる偶然、奇跡的な出会いです。
「今夜の演奏会を楽しみにしています」
「日本から来られたんですか」「私は、よくこの店で食事をしているんですよ」
というような、わずかな会話でしたが。
その数時間後、世界の小澤の指揮はじつに華麗で、おみごとと叫びたいほどでした。
ちょっと自慢できそうでしょ。エヘン!

この旅行のことは、私の兄猛夫のブログで、1か月以上にわたり詳しく紹介される予定です。私のブログ右下の[links]にあります「十(とお)一(はじめ)こと酒井猛夫のブログ」をご覧ください。

5月17日より28日まで、プライベイトでドイツ旅行へ出かけるため、ブログを休刊いたします。
悪しからず、ご了承ください。

昨日より、5月2日号のブログで紹介しました「ヘンリーおじさん」のメルマガが、当社「いずみ書房」より配信を開始しました。「英語子育て今日のフレーズ」というテーマで、英語でどう表現したらよいか、もっとスマートな言い方はないか、こんな言い方でいいのかといったような疑問にヘンリーおじさんが明快に答えるのが基本ですので、主な対象は、子どもを持つ母親や子ども英語教育にたずさわる先生方ということになるかもしれません。でも、過去のメルマガを見てみる限り、どの表現も大人が読んでも役立つ情報が満載で、楽しめます。

昨日の例でいえば、「どうか娘のことを長い目で見てやってください」という問いに対し、ヘンリーおじさんはこう答えてくれます。

日本語を英語に直訳しても駄目な表現ってありますね。この「長い目で」も、そうです。
Please look with long eyes. なんて言ったら、相手は驚いてしまいます。この場合は、
Please be patient. (ペーシェントと発音)を使います。
My daughter is slow in learning.(娘は覚えるのが遅いです。)
Please be patient.(根気よくお願いします。)
なお、覚えが早いと遅いなんて、あまり気にしないでください。遅いというのは、じっくりと構えて覚えている証拠なのです。人それぞれですから、根気が必要ですね。

というように、ユーモアを交えながら、わかりやすい言葉で表現してくれます。しかも、英語と日本語の表現法のちがい、育て方のヒントも指摘してくれます。

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http://www.henryojisan.com/mailmaga.htm

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