児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ

30歳で独立、31歳で出版社(いずみ書房)を創業。 取次店⇒書店という既成の流通に頼ることなく独自の販売手法を確立。 ユニークな編集ノウハウと教育理念を、そして今を綴る。

2007年02月

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」17

● 他人への思いやりのたいせつさをしっかり語る

このごろの子どもは、人を疑いすぎます。たとえば、知らない子どもに外で声をかけると、自分たちが2人か3人、あるいは集団のときは話に応じてくれても、ひとりのときは、ほとんど口をきいてくれません。口をきくどころか、こちらが近寄って行くだけで、足早に逃げだす子どももいます。きっと、親から 「外で、知らない人に声をかけられたら、注意するのよ。子どもをだます悪い人が、たくさんいますからね」 と、いましめられているのでしょう。
これは、社会に犯罪が多い現実からすれば、むりもないことかもしれません。しかし、だからといって、あたまから人を疑ってかかることを教えるのは、どんなものでしょうか。
知らない人について行ってはいけないこと、知らない人から物を買ってもらってはいけないこと──などを、守るべきこととして教えておくのは、のぞましいことでしょう。しかし、すべての人への警戒心をうえつけるようなことは、正しいみちびきではありません。
世の中が平和であるためにもっともたいせつなことは、人と人とが信頼しあうということです。人を信頼し、人に信頼されるということから、他人への思いやりが生まれます。人を信頼しない、人に信頼されないところには 「愛」 は生まれません。
わが子に、人を信頼しないようにしむけていながら、その裏で 「人に信頼されるような人間になるのよ」 と言ってきかせているお母さんがいます。これは、むちゃというものです。
社会や人にだまされないようにということは、社会や人を信頼するなということではありません。子どもたちに、信頼とはなにかを、正しく教えることがたいせつではないでしょうか。

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」16

● 言い聞かせるより聴いてやること

「子どもとのコミュニケーションが、きちんと成り立つための障害の最たるものは、話さないことではなく、聴かないことなのです。子どもが現に語りかけていることを聴けるようになるのは、なかなか、むずかしいものです。子どもの言いまちがいを訂正したり、知識優越者であるように振舞うことを親自身が卒業し、子どもの言葉をさえぎらずに、子どもが胸のうちをさらけだすのを見守るのは、やさしいことではありません。娘が緊急事態だと思ったことを、まわりくどくはあっても熱心に話しているときに、母親が、電話をかけるから、髪を乾かすからなどとにそれをさえぎったとしたら、それは、娘の額に平手打ちをくわせたも同然ではないでしょうか。さらに恐ろしいことに娘は、自分にとってどんなにたいせつな問題でも、母親にはたいしたことではないと、思いこむことになるのです」
以上は、岩波新書の 「10代の子を持つ親の本」 に記されている一文です。この本はアメリカ人が書いたものの翻訳ですが、子をもつ親への警鐘は、アメリカも日本も、なんと共通していることでしょう。
考えてみれば、日本の親は、子どもに言い聞かせる口はバカでかいものをもっています。ところが、子どもの言い分を真剣に聴いてやる耳は小さなものしか持っていません。「父親も母親も、権威を嵩にきた張り子の虎」 が多いのです。子どもは親に、自分を認めてもらいたいのです。言えばしかられそうでも、ほんとうは、親に話したいのです。
親は、人間として尊敬される権威を保ちながら、子どもには人間らしい友であること──これがしつけにのぞむ親の最大の条件のようです。

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」15

● 「いらいら・ぶつぶつ・くよくよ病」は子どもに伝染します

いまの世の中は、物はたくさんあっても、なんとなく、いつもいらいらさせられる時代です。空に浮かぶ雲をポカンと見つめるような、虫の声がすだく草むらにたたずんでみるような、雨の音にじっと耳をかたむけてみるような、そんな心のゆとりがなくなってしまっているからでしょう。
でも、どんなにいらいらしても、子どもの前ではそんなそぶりを見せてはいけません。ぐちをいいたくなっても、くよくよしたくても、子どもの前では我慢です。
子どもは、母親の、いらいら、ぶつぶつ、くよくよ病に素直に感染して、学校であった小さなことにも、友だちとのあいだに起こった小さなことにも、いらいら、くよくよして、いつも、ぶつぶついう子になってしまいます。そして、いつも心に不満をいだく子になってしまいます。母親の、いらいら、ぶつぶつ、くよくよ病は、親のかぜが子どもにうつるのと同じように、いいえ、それ以上に根深く悪質に感染するからです。かぜは薬でなおせても、この心の伝染病は、どんな薬をもってしても なおすすべがありません。
子どもは、家ではネコをかぶっていても、学校や外では、自分の気にくわなければ、文句ばかりいうように、勝手なふるまいばかりするように、あるいは、自己を反省せず、人の悪口ばかり口にするようになってしまいます。ふるまいばかりでなく、落ち着いて勉強しないようになってからでは手遅れです。

こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 14

● 何でも自分でやるようにしむける

のろまな子がいます。ぐずな子がいます。なにをやらせても人よりおそく、お母さんは、いつも、いらいら、はらはらします。
こんな子どもには、意外にも、お母さんに問題があることが多いのです。
いつも手をかしてやっていませんか。なにか、かたづけごとをするときでも、園や学校へ行く準備をするようなときでも、手助けしてやっていませんか。家の手伝いなどでも 「あなたに、やってもらったら、かえって遅くなるわ。いいから、むこうで、あそんでなさい」 と言ったりして、なにもやらせないようにしていませんか。
あとかたづけや、園や学校へ行く準備を、おそくてもよいから、すこしぬけたところがあってもよいからといって、自分でやるようにしむけましょう。家の手伝いも 「のろまでもいいのよ。あわてて失敗するより、いいのよねえ。さあ、これをやってちょうだい」 などと言って、とにかく自分でやらせることです。
子どもは、お母さんに手伝ってもらえばもらうほど、せっかくの練習の場を失ってしまうのです。お母さんに5回手伝ってもらえば5回、その機会を失ってしまいます。家の手伝いを拒否されればされるほど、やはり、練習の場と機会を失ってしまいます。
それだけではありません。のろまな子、ぐずな子といわれつづけているうちに、また、いつまでも、のろまでいるうちに、自分のすることに自信がない子どもになってしまうのです。やがては、友だちに 「のろま」 といじめられて、学校へも行きたがらない子どもにもなってしまったらたいへんです。

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