児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ

30歳で独立、31歳で出版社(いずみ書房)を創業。 取次店⇒書店という既成の流通に頼ることなく独自の販売手法を確立。 ユニークな編集ノウハウと教育理念を、そして今を綴る。

2006年12月

「ダメな子」「良い子」の育てかた 6

● 子どもを偏食っ子にしたいなら

いつも子どもに「今日は、なにが食べたい」と聞いてから、愛情こまやかに料理を作ってあげましょう。子どもが食べ残したら「いいわよ、お母さんが食べてあげるから」と言ってあげることです。いつも「はい、これがあなたのよ」と、愛する子どもにだけは、特別料理を作ってあげましょう。子どもは偏食っ子になるだけでなく、わがままな子にも行儀の悪い子にもなってくれます。

○ おもちゃをたくさん欲しがる子

子どもにとっておもちゃは、遊びを豊かにするために、あるいは創造力を育てるために必要なものでしょう。しかし、与えすぎは、害あって益なしです。高価なものをたくさん与えて、わが子をかわいがっているつもりの母親がいたら、それは間違いです。おもちゃの与えすぎは、子どもを移り気な、気の散りやすい性格にしてしまいます。心理学者の研究でも「散漫な性格にする」という結論が出ています。
子どもは、たったひとつのおもちゃでも、よく考えられたおもちゃなら、いろいろ工夫して遊ぶものです。また、空き缶や木切れでも、楽しく遊ぶこともあります。むしろ、完成されていないおもちゃの方が、子どもの創造力をかきたてるということを知っておかなくてはいけません。欲しがるものを何でも与えることは、子どもを不幸にするということも、充分認識しておかなければなりません。今は、実に多岐にわたるおもちゃにあふれています。わが子にはどんなおもちゃがふさわしいかを良く考え、できたら誕生日やこどもの日、クリスマスなど特別な日に、選び抜いたおもちゃをプレゼントしたいものです。

「ダメな子」「良い子」の育てかた 5

● 人を差別することを教えたいのなら

わが子が、貧しい家庭の子や家庭的にめぐまれない子と親しくするのを見たら「あんな子と、おつきあいするのはやめなさい。お父さんは運転手なんでしょ。あなたは、あんな家の子と違うのよ」と言ってあげることです。わが子が体を真っ黒にして働く人たちの姿をテレビで見ていたら、「しっかり勉強しないと、あなたも、あの人たちのようになってしまうわよ。あの人たちは、人間らしい生活なんてしていないの。ああなったらおしまいね」と言いましょう。町を歩いていて、みすぼらしい住宅地を通ったら、「いやぁねぇ、なんてきたないんでしょ。こんなところへ来て遊んだりしたらダメ」と言います。子どもは、生活や身なりの貧しい人を、心のどこかで蔑視し、バカにする子になってくれます。

○ 要領を得ない話をする子や、話のノロマな子に

親に何かを話すとき、要領を得ない話し方をする子がいます。また、そんな時期があります。しかし、そんな時「あなたの言うことは、こういうことなんでしょ」と、先まわりして、子どもの言いたいことを整理してやってはいけません。たとえ、まだるっこくとも、子どもの話し終わることを、待ってやることが大事です。子どもはこんな時こそ、自分の表現能力を育てているのですから。
まだるっこいからといって、話をせかせるのもよくありません。子どもがつっかえながら話をしているときは、いっしょうけんめい言葉を探しているのです。いっしょうけんめい頭を働かせているのです。話を先どりしてせかしたりすることを繰り返していると、親には話をしたがらない子を育てることになってしまいます。そして、豊かな表現力の芽をつんでしまいます。よく、「ウチの子は作文がダメなのよ」と嘆く母親の声を聞くことがよくありますが、こんなふうに表現力の芽を摘んでいなかったかを反省しなくてはいけません。

「ダメな子」「良い子」の育てかた 4

● 不満ばかりいう子にしたいなら

ファミリーレストランなどに家族みんなで行って「これはまずいわね、これならインスタントのほうがまだましだわ」と愚痴をこぼしましょう。服を着るたびに「この服、もうおかしいわ」「あああ、新しい服がほしいわね」と、こぼしてみせなさい。雨降りが続いたら、「もう、いやだわ」「ほんとに、もうくさくさする」と、イライラしましょう。「こんな家に住みたいわね。アパートぐらしなんてつまらないわ」「あんな車がほしいわ、この車ガタガタで、みっともない」なんて、いつもブツブツいうことです。子どもは、たとえ、何不自由のない生活をしていても、いつも不平不満を言う子になってくれます。ほんとうの幸せを知らない、心貧しい人間になってくれます。簡単です。だれにでも、すぐにできます。

○ いつも失敗ばかりする子に

お使いにやれば、買ったものを忘れてきたり、まちがったものを買ってきたりする。台所の手伝いをさせると、きまって食器をこわす。自分ひとりで学校の準備をさせると、きまって忘れ物をしていく。こんな子はよくいるので、頭を悩ませている母親も多いはずです。しかし、失敗するからといって、子どもにやめさせてはいけません。子どもは、失敗によって貴重な経験をしているのです。その経験のチャンスをうばってしまえば、子どもは一見、失敗しない「よい子」にはなっても、応用力のある積極性のある子にはなりません。失敗こそ、生きた力になるのです。

「ダメな子」「良い子」の育てかた 3

● 内向的な性格にしたいなら

「あなたは本当に足が短いわね。お父さんにそっくり」 「お前は、まったく鼻ぺちゃだなぁ。お母さんのおかしいところに、よくも似たもんだ」「ますますオデブちゃんになるな。こんど牧場に行ってみろ、ブタにも笑われるぞ」。冗談半分でもいいから、こんなことを言ってあげましょう。いくら冗談でも、子どもは傷つけられます。そしてこの世でもっとも信頼する親から、繰り返し言い続けられるうち、人前に出ることをいやがる、内向的な人間になってくれます。

○ いつもいじめられる子に

幼い頃に「××ちゃんにいじめられた」と、わが子が泣いて帰ってくると、ほとんどの親が、いじめっ子を憎みます。わが子かわいさなのでしょうが、多くの場合それはまちがっています。大切なことは「うちの子は、どうしていじめられるのか」を、静かに考えてみることではないでしょうか。子どもの性格に大きな影響をおよぼす家庭のあり方に、問題を含むことが少なくないからです。
「子ども同士のことだ、ほっとけ」などという父親や、「もう、あの子と遊ばないようにしましょうね」という母親がいますが、これも本質的にまちがっています。まして、「もう、外に行かないで、お家で遊びましょうね」と語りかけるのは、まさに論外。子どもが仲間と遊ぶことの意味と、子ども社会できたえられていくことの大切さを、しっかり理解しておかなくてはなりません。

「ダメな子」「良い子」の育てかた 2

● ウソつきにしたいなら

子どもが父の持ち物をこわしたら、「お母さんがこわしたことにするから、心配しなくてもいいわよ」と言ってあげましょう。父親のいないときは、いつも「パパにはないしょよ」と言ってあげてください。家に人が来ると困るとき、子どもに 「お母さんは? と聞かれたら、ちょっとでかけてますというのよ」と言ってきかせましょう。
子どもの前で夫に「時には、頭でも痛いことにして会社を休んだらどうなの」と言いましょう。わが子と遊ばせたくない子がやって来たら、「ぼく、これからおでかけするから遊べないんだ」と、出かける予定がなくても言わせます。子どもとの約束ごとを、いつも平気で破ってあげてください。きょうからでも、明日からでも、子どもは、おもしろいようにウソをつく子になってくれます。

○ 友だちや兄弟とすぐケンカする子に

ケンカをすることは、一面からするとその子の行動力と積極性に富んでいることの表れです。しかし、自分をおさえ、人と話し合い、他人を思いやる心に欠けていることも少なくありません。父親が「男だから、ケンカをしてもかまわん」「ケンカするなら負けるな」などとけしかけることも、よくありません。どんな理由であれ、ケンカを許すことは、暴力でものごとを解決すること、暴力で自分の欲望をとおすことを覚えさせるからです。家の中で、何でも子どもの思い通りにさせていないかを反省し、自己中心ではいけないことをはっきり悟らせることも大切です。

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