児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ

30歳で独立、31歳で出版社(いずみ書房)を創業。 取次店⇒書店という既成の流通に頼ることなく独自の販売手法を確立。 ユニークな編集ノウハウと教育理念を、そして今を綴る。

2006年02月

いずみ書房のフランチャイズ販売組織にかげりが見えはじめたのは、1983年頃だったろうか。訪問販売という販売手法は、読書や家庭教育に無関心な母親に、幼児期の子育ての大切さを知らせるという点で、たいへん重要な役割をはたしてくれたと思う。私は、営業にたずさわる人たちの基本的な理念にしてもらうため、「絵本のすすめ」(後に改題「かしこい子どもの育てかた」)という小冊子をこしらえ、契約者はもちろん関心の高い見込み客へ、配布するようにしてもらった。そして、営業マンというより教育者としての自覚をもって訪問するよう、教育の徹底をことあるごとに幹部に伝え、よく実行していてくれていた。

ところが、市場は急速に訪問販売に対し冷やかな目を向けるようになった。というのも、当時は飛び込みセールスといって、軒並みドアをたたき、相手の都合におかまいなく、一方的にセールストークを展開し物を売りつける手法が一般的だった。そして、買わないとなると、ドアをバタンと閉めたり蹴飛ばしたり、悪態をついて立ち去るというようなセールスマンまで現れた。行政側も、世間の苦情の多発に業を煮やし、セールスマンの登録証の発行を義務付け、契約後一定期間内であればキャンセルに応じさせる法律を定めて、販売業者、一般顧客双方へ注意を促した。

私は、読書の普及という使命感(ミッション)をになう「いずみ書房」の営業マンと、悪質訪問販売業者とを差別化するためには何が必要か、説得して物を売りつけるセールスという概念から脱却するための方法はないものだろうか、頭を悩ませる日々が続いた。そして、「説得」から「納得」の営業という手法を思いつくに至った。購入してもらうために「説得」するから無理が生ずるのであり、商品やサービスに「納得」してもらえれば問題が生ずることは皆無に近いことに気づいたわけである。その中心が、読書運動の組織づくりだった。

今思い起こすと、「レディバードブックス特選100点セット」を刊行した1987年から数年間が、英国レディバード社の最も繁栄していた時期だったように思う。マルコム・ケリー社長のもと、幹部も社員も生き生きと仕事に取り組み、次々と新企画を打ち出していた。1988年の晩秋、私はコンテストで優秀な成績をおさめた当社の営業幹部や営業マン7名を引き連れ、レディバード社を訪れた。私にとって初めての海外旅行でもあったため、特に印象深いものがあった。

レディバード社は、ロンドンの北西約150kmの典型的なイングランド地方の小都市ラフボローにあった。5000坪ほどの敷地に、企画・編集・デザイン部門はもちろん、印刷から製本までもすべて自前で生産する一貫工場を所有していた。出版社というのは、日本でも英国でも、印刷や製本は外注するところがほとんどで、自社工場をもっている会社はきわめて例外的だった。

日本では見たこともないようなB倍判という大きなオフセット印刷機が数台。1枚の用紙から、レディバードブックスが2冊作れるという。驚いたのは、オフセット印刷の刷版が大きな倉庫に保存されていることだった。通常、刷版というのは印刷する都度フィルムからこしらえ、印刷を終えると溶かしてしまうのだが、それを収容するだけの広いスペースがあるのと、ひんぱんに再版されたからなのだろう。

製本工場も目をみはるものがあった。12cm×18cmの上製本に規格化されたレディバードブックスは、完全にオートメーション化されていて、1日10万冊を製造する能力があるという。年間2000万冊以上を世界じゅうに普及させていると聞いていたが、この工場ならと納得できた。

工場見学の終了後、マルコム・ケリー社長はスタッフとともに、われわれをコールズコートという素晴らしいレストランで歓待してくれた。13世紀に建てられたという森の中の風格ある教会の一室、まさにおとぎの国のようなレストランでローストビーフに、高級ワインにと舌鼓をうった。われわれはみな大満足、忘れられない思い出を残してくれた

1987年に刊行した英国レディバード社とのタイアップ企画第3弾、「レディバードブックス特選100点セット」のうち、フランスの作家ジュール・ベルヌ(18428-1905)の「80日間世界一周」の第8回目、最終回。

●「80日間世界一周」全文 その8


80日間22


フォッグはリバプールに上陸したとき、安心だと思いました。ロンドンには6時間で着くし、まだ9時間残っていたからです。
そのとき、彼は肩に誰かの重たい手がおかれるのを感じました。
「女王陛下の名においてあなたを逮捕します」 フィックス刑事が言いました。
パスパルトゥーはこぶしをあげましたが、警官にその腕を押さえられ、フォッグは税関の独房に押しこめられてしまいました。
哀れなパスパルトゥーはアウダにことのすべてを話しました。彼はすべての責任は自分にあると思いました。フィックスのことを主人に言いさえしていたら!
フィリアス・フォッグは独房にすわり、秒針が時を刻むのを見ていました。まさに最後の日というときに負けるなんて、とても信じがたいことでした。2時33分、独房のドアが勢いよく開き、パスパルトゥー、アウダそしてフィックスがかけこんできました。
「閣下」 フィックスは口ごもって言いました 「まちがえておりました。本当の泥棒は3日前に捕えられていました。あなたは無罪です!」
フィリアス・フォッグはゆっくり立ちあがりました。静かにフィックスの方へ歩いていき、刑事の目をじっとのぞきみました。それから、すばやいパンチでフィックスをなぐり倒しました。
「いい当りです、旦那様!」 パスパルトゥーは笑いました。
フォッグは、最高速度でロンドンへ向けて出発する特別列車をあつらえました。しかし列車が煙をあげて駅に入ったとき、ロンドンの時計は9時10分前を示していました。世界をひと周りしてきて、フィリアス・フォッグは5分間だけ約束の時間に遅れてしまいました。彼は賭けに負けたのです。
3人の旅行者は、うなだれてフォッグの家にもどってきました。ほとんど話をかわしませんでした。みんなフィリアス・フォッグが賭けに負けたことをわかっていたからです。


80日間23


自分を責めていたパスパルトゥーは、アウダの部屋に行きました。「奥様」 彼は懇願しました 「どうかフォッグ氏をなぐさめてあげてください。彼は私をどこかへやってしまいます」
フィリアス・フォッグがアウダのために考えた計画を話しにきたとき、彼女は彼に言いました 「もし私をお助けにならなければ、もっと時間がおありだったのに」
「ご安心ください」 フォッグは言いました。「私に何が起ころうとたいしたことはありません。心配してくれるような家族はいませんから」
「かわいそうに」 アウダはため息をつきました。「つらいことは、わかちあえばもっと楽に耐えられますわ」
「そう言いますね」 とフォッグが答えました。
「それならどうか、私とあなたの悩みを分ちあってください」 アウダは言いました。「私をあなたの妻にしていただけませんか」
「願ってもないことです」 フォッグは答えました。すぐに彼はパスパルトゥーを呼び、彼に結婚式の準備をするように言いました。
「いつ式をあげるのですか。旦那様」 と、彼はたずねました。彼はその知らせを喜びました。「明日、月曜日だ」 幸せいっぱいのフィリアス・フォッグが答えました。
これ以上速くは走れないという速さで、パスパルトゥーは牧師の家へ走っていきました。「お願いします、牧師様」 彼は息を切らして言いました
「私の主人、フィリアス・フォッグ氏の結婚の手はずを、明日の月曜日に整えていただけますか」
「いえ、いえ、あなた」 牧師は言いました。「明日は日曜で、月曜ではありませんよ。今日は土曜日ですから」
「今日が土曜日ですって」 パスパルトゥーはあえいで言いました。牧師がびっくりしているのをよそに、パスパルトゥーは大急ぎで部屋をとびだし、通りへ出ていきました。フォッグ氏の部屋へかけこむと、パスパルトゥーは叫びました 「急いでください、旦那様。私たちは勘ちがいしていました。
今日は土曜日です。賭けに勝つのにまだ10分間残っています」


80日間24


フォッグはぼう然としました。自分がまちがえるはずはない、と。彼は毎日きちんと数えていました。はっとそのとき気づきました。彼は東へ旅行したので、時計を直すべきだったのです。経度15度旅行するごとに、彼は1時間時計をもどさなければなりませんでした。世界を一周すると、つまり彼は24時間得したことになります。まる1日です。彼はとびはねていきました。
12月21日の土曜日の夕方、友人のグループはリフォームクラブにおちあっていました。フォッグの80日目の日でした。彼らは、彼の旅行に関する最近のニュースを知りませんでした、まだ生きているのかさえ知る人はいませんでした。
「8時20分だ」 1人が言いました。 「リバプールからの最終列車はもう到着しているはずだ。なのに彼は、まだここには現れない!」
「そんなに早くこないさ」 もう1人が言いました。「フィリアス・フォッグという男は、非常に時間に正確な男だからね。9時15分前まで、我々は安全とは言えまいよ」
1分2分と時は刻まれていきます。秒針が最後の1分をすべっていきました。時計は8時45分を鳴らしはじめました。ドアが大きく開きました。
「私はここだ。諸君」 フィリアス・フォッグは言いました。彼のうしろには興奮した人びとが集まっていました。
いかなる危険をもくぐり抜けて、彼は80日間で世界を一周したのです。彼は時間との競争に勝ちました。賭けに勝ったのです。それに加えて、彼はアウダという女性にめぐり会えました。フィリアス・フォッグは世界一幸福な男でした。

以上で、「レディバードブックス特選100点セット」の項を終了します。

1987年に刊行した英国レディバード社とのタイアップ企画第3弾、「レディバードブックス特選100点セット」のうち、フランスの作家ジュール・ベルヌ(18428-1905)の「80日間世界一周」の第7回目。

●「80日間世界一周」全文 その7


80日間19


長くて寒い夜でした。雪でおおわれ、凍りついたこの地に太陽がのぼるころ、銃声がきこえました。そして、ついに行進する男たちの一群があらわれたのです。フィリアス・フォッグが、いなくなった乗客と兵隊たちの先頭に立っていました。まもなくアウダは、フォッグとパスパルトゥーに再会できたのです。彼女はフォッグがスー族と戦いぬいて、どのようにパスパルトゥーと乗客を捜し出したか聞きました。勇敢なパスパルトゥーは素手で3人のインディアンをなぐり倒したのでした。
フォッグは列車が彼らをおいて出発してしまったことに怒りました。
「24時間の遅れだ」 と、彼は言いました。「私は12月11日にニューヨークにいなければならない。汽船がそこから、その夜の9時にリバプールに向けて出航することになっているのだ」
そばに立っていた1人の男がこの話をききました。彼は、大きな帆とハガネのすべりで走る帆走そりで目的地まで連れていってあげよう、と申し出ました。フォッグは喜んで頼むことにしました、そしてすぐに氷まじりの風がフィックスを含む一行を、飛ぶように凍てつく雪の上を通って運んでいきました。
一行は、ニューヨーク行きの列車が駅で待っている町へとやってきました。彼らは乗りこみ、フォッグは運転手に話しかけ、「全速力で前進」 と命令させました。平原と町々がみるみるすぎていきました。12月11日の夜11時すぎに、列車はニューヨークに到着しました。しかしおそすぎました。リバプール行きの汽船はもう出てしまったあとだったのです。
負けてたまるかと決意して、フォッグは波止場へ急ぎました。そこで、彼はちょうど出航しようとしている小さな貨物船をみつけました。
「どこまで行くのです?」 彼は船長にたずねました。


80日間20


「フランスのボルドーさ」 というのが答でした。
「私と3人の友人をリバプールへ連れていってくれたら、たんとはずむがね」 フォッグは言いました。
「わしはボルドーに行くのだ」 船長は言いはりました。「そこへなら連れていくさ」
「わかった」 フォッグは承知しました。
1時間後、フォッグと彼の友人は、フィックスも加えてニューヨークから出港したのです。しかし、フォッグはフランスへ行くつもりはありませんでした。 彼には計画がありました。密かに彼は船乗りたちにその計画を話し、お金をはずんでおきました。まず彼は船長を船室に閉じこめました。そうして自分が船の指揮をとるようにしたのです。
すべてがうまく運んだように思われたとき、強風が吹きはじめました。フォッグは帆をおろすようにと命じました。スピードを保つために、かまどにどんどん石炭がくべられました。どす黒い空の下で、巨大な波がこの小さな船をおそってきました。ロンドンに到着せねばならない5日前、フィリアス・フォッグは、いまだ大西洋のまん中にいたのでした。そこへ船の機関士が悪い知らせを持ってきました。
「石炭がもうほとんどありません」 あえぎながら彼は言いました。「減速しなくてはいけません」
「今はだめだ」 フォッグは答えました。「全速力で進むのだ」 それから彼は、船長をブリッジ (船長の指揮する場所) まで連れてくるように命令しました。船長は鎖をはずされたトラのようにかんかんに怒っていました。


80日間21


「海賊め!」 彼はどなりました。「わしの船をぶんどったな!」
「ぶんどった?」 フォッグは言いました。「私はこの船を買いたいのですよ」
「売るものか!」 船長は声をとどろかせて言いました。
「だが燃やさなくてはならないのだ!」 フォッグは続けました。
「燃やすだと!」 船長はあえいで言いました。「この船は5万ドルの値うちがあるのだぞ!」
「では6万ドルだしましょう」 フォッグは落ち着いて言いました。それは船長には断れない取引でした。彼は承諾し、この小さな船が全速力で進むように仲間に加わりました。石炭がなくなったとき、彼らは甲板をはぎとり、その木を燃やしました。燃えるものは、すべてかまどの燃料にされました。
12月20日の夕方、彼らはアイルランドの南に来ていました。
今や、フィリアス・フォッグがロンドンに着いて賭けに勝つのに24時間しか残されていません。彼らがコーク港に上陸すると、急行列車がリバプール行きの船の出るダブリンへと彼らを乗せていきました。

昨日「いずみ通販こどもカタログ」(2006年春号)の売上金額ベースでのベスト30を紹介したが、本日は売上件数別ベスト30を掲げてみよう。

ディズニーミニ絵本


(1) ディズニーミニ絵本8点セット(特価商品)
(2) マザーグースコレクション
(3) 英語であそぼ カードゲーム(特価商品)
(4) えいごリアンカードゲーム
(5) 歌でおぼえる英会話
(6) 幼児とお母さんのための 絶対音感
(7) 0歳からのバイリンガル子育て
(8) アンパンマン えいごランドビデオDVD
(9) アンパンマン えいごであそぼうビデオDVD
(10) くもん日本地図パズル
(11) くまのプーさんのさわってたのしむ絵本(特価商品)
(12) 歌でおぼえる 初めての英語レッスン
(13) 子どもは英語でしつけなさい
(14) 右脳をはぐくむ こども世界名画の旅
(15) にほんごであそぼ いろはかるた
(16) ヘンリーおじさんの英語で子育て
(17) 森のつみき
(18) くもん日本地図カード
(19) とけいの数え方 DVD
(20) ウォールチャート ヨメルカナ?かけるかな?
(21) ステップジグソーパズル1 のりものだいすき
(22) おふろシール 日本地図
(23) どうぶつ折り紙セット
(24) マザーグース英語の歌 �@アルファベットの歌
(25) おはなし えいごリアンビデオDVD
(26) フラッシュえいご(1)
(27) 英語で歌う日本の童謡1
(28) プーさんのCD付えいごボード絵本
(29) トーキングリピーターDX
(30) ピーターラビットの冒険(特価商品)

「ディズニーミニ絵本セット」「英語であそぼカードゲーム」のように特価商品が上位にランクされたのが大きな特長。今回初登場した、昨日紹介の「こども世界名画の旅」以外にもウォールチャートやステップジグソーパズルなどが食い込んできたのも注目。

件数別ベスト30でも、「いずみ通販こどもカタログ」でしか手に入らない商品が約半数を占めているのも興味深い。

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