児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ

30歳で独立、31歳で出版社(いずみ書房)を創業。 取次店⇒書店という既成の流通に頼ることなく独自の販売手法を確立。 ユニークな編集ノウハウと教育理念を、そして今を綴る。

2005年10月

● 小・中学校の教科書に登場する人物を網羅した新時代の伝記全集!

国語、社会、理科、音楽、美術・・・に出てくる人物を、ほとんど収録しているので、学習の副読本として役立つ。1980年新しくなった「小学校学習指導要領」では、社会科の歴史学習が人物を中心とした指導になり、国語では、作文力が重視され、国語の総時間数の30%が作文の時間になって、小学6年間に読書習慣を身につけ、活字に親しむことを目標にしている。この骨子は、1998年の学習指導要綱でもほぼ踏襲。

本シリーズは、世界も日本もそれぞれ時代別の編成になっているから、巻を追って読み進めていくうちに、大きな歴史の流れを、いつのまにか身につけられるように工夫をした。たとえば、「明治維新」というテーマは、日本の歴史の上でも大変理解のむずかしい時代である。そこでこのシリーズでは、「勝海舟」 「西郷隆盛」 「坂本竜馬」「佐久間象山」「大久保利通」「吉田松陰」 「木戸孝允」「徳川慶喜」「高杉晋作」ら10数人の伝記を読むうちに、幕末から明治にかけての激動する時代が、鮮明にイメージ化できるのだ。それは、この時代を生きぬいてきた、それぞれの人物の立場から、この時代がくりかえし描きだされ、このテーマを多角的にとらえることが出来るからである。しだいに「歴史」がおもしろくなり、NHKの大河ドラマをはじめ、テレビドラマや映画の時代劇も、興味深くみることができるようになることだろう。

巻頭に 「歴史年表」 を掲げて、伝記に登場する人物がどういう時代に生きたのか、大きな歴史の流れの中での把握と、歴史学習に役立つような配慮もした。読書することが、作文力を増すことはいうまでもない。各巻末に 「読書の手びき」 をつけ、それぞれの人物をどういう視点で読み進めたらよいか、どういうねらいで書き進めてきたのか、どんな点を学んでほしいかなど、さまざまな指針を盛りこんだので、感想文を書くときにも、大いに役立つはずである。

学校の勉強がおもしろくなるのは、授業の内容がよくわかるからである。ベートーベンやモーツァルト、シューベルトの伝記から、授業で習う曲の背景を知り、ダ・ビンチ、ミケランジェロ、ロダンらの芸術家の伝記により、絵や彫刻が、どんな苦労の中から生みだされてきたかを知り、新しい眼が開かれることだろう。炎の画家として名高いゴッホが、生存中はほとんど無名だったと知れば、あの燃えるようなひまわりの絵や、はね橋の絵ももっと身近なものになることだろう。ファーブルやシートンの伝記からこん虫の生活や観察のしかた、動物の生態を知り、理科の興味が芽ばえることもあるかもしれない。

ポケット絵本シリーズ、第4期「せかい伝記図書館」(36巻・別巻3)の特色について4回にわけて掲げてみることにします。

● 夢・希望・勇気・信念・・・人間形成の発芽期に出合いと感動を贈る!

小学校をわずか3ヶ月で退学させられた発明王エジソン。三重苦の障害をのりこえて、身障者のために生涯をささげたヘレンケラー。厳しい寒さに耐えられるよう、真冬に窓をあけはなして身体をきたえた少年時代のアムンゼン。アフリカのジャングルにわけ入り、病気に苦しむ黒人のために身をささげたシュバイツアー。人間の限界に挑戦し、2000冊もの本を集大成した盲目の学者塙保己一・・・等々。

歴史に、大きな足跡をのこしてきた人たちの生涯を、親しみやすく、わかりやすく描いた。自分の信じる道を、夢を、勇気と希望をもって一歩一歩つき進んでいった人たちの生きざまは、感受性の豊かな子どもたちに、深い感銘をもたらすことだろう。

子どもたちは、無限の可能性をもっている。文学者、政治家、実業家、探険家、科学者、宗教家、音楽家、画家、スポーツマン、発明家、教育者・・・。さまざまなジャンルの、数多くの伝記にふれることによって、生きかたを学び、豊かな情操がつちかわれ、将来の夢が育っていくはずである。

● 歴史のなかに生きる意味を認識させることができる
人間はだれでも、歴史のなかに生きている。逆にいえば、人間はすべて、歴史をつくりながら生きているのである。ところが、戦後の日本人の多くが、日本のおぞましい過去の歴史を否定するあまり、歴史とかかわりあって生きることを忘れすぎている。この 「せかい伝記図書館」 に登場する人物で、歴史のなかに生きなかった人などひとりもいない。人類の歴史の奔流のなかに生きたからこそ、歴史に名をとどめたのだ。この 「せかい伝記図書館」 をとおして、一人ひとりの人間が、歴史をつくりながら生きることの大きな意味も、認識させてあげてもらいたい。子どもたちの生き方に、きっと厚みが加わるはずである。

● 自然に歴史への教養も深めることができる
小学校から中学、高校へと進学するにつれて、日本史、世界史を学ぶようになる。ところが、その教育方法の基本になっているのは、相も変わらず、年代や事件をおぼえる暗記主義だ。これでは、歴史への興味が、根本的なところでわくはずがない。この 「せかい伝記図書館」 では、歴史上の人物を語ることをとおして、その人が生きた時代も明らかにされている。したがって、巻を追って伝記を読みすすめるうちに、いつのまにか、歴史の流れをも読みとることができる。たとえば、日本の歴史については、日本の国のおこり、古代の朝廷のすがた、武士のおこり、幕府のおこり、源平争乱の全容、鎖国のはじまり、明治維新のおこり、それに学問や芸術 (俳諧、書画、彫刻、茶道、能、人形浄瑠璃、歌舞伎他)などのおこりをも、自然に知ることができる。しかも、たとえ子ども向きの伝記とはいっても、歴史的な事実については、どのような文献にも負けないほどの考証がなされている。この 「せかい伝記図書館」 によって子どもたちに、歴史的な教養を身につけさせてもらいたい。

● 親子の対話と家族の和を生みだすことができる
せかい伝記図書館」(36巻)には、およそ100名の伝記を収録した。そして、登場するすべての伝記はそれぞれ14ページ分としてコンパクトにまとめられている。したがって、どんなに忙しい両親でも、1日に15分程度の時間を見つけてくれれば、1人の伝記を読むことができる。子どもたちに読ませるだけでなく、両親にも読んでもらい、家族ぐるみで読後感を語りあうようにしたい。子どもたちの思考や感動が深まるだけでなく、1人の伝記をとおして、1冊の伝記をとおして、親子の対話と家族の和が生まれるはずである。従来の長い伝記では、なかなかこれが果せなかったが、この 「せかい伝記図書館」 では、どんな家庭でも実現可能である。

● 自分の人生を子どもたち自身に選ばせることができる
「自分の生きる道は自分で見つけ主体的に生きていく」 これが、人間のもっとも正しい生き方だろう。この 「せかい伝記図書館」 をとおして、子どもたちにまず、人間にはこんなにもさまざまな生き方がある、ということを認識させてあげてほしい。そして、その認識のなかから、自分の生きる道は自分で見つける芽をめばえさせてあげたい。自分の生きたい道をさがし得ない子どもに、人生の夢などもてるはずはない。校内暴力などが起こるのも、青少年に自分の人生への夢がないからではなかろうか。というよりも、おとなたちが、青少年の夢をもぎとってしまっているといった方がよいのかもしれない。自分の人生を自分で見つけて、自分の意志で歩むからこそ、そこに自分の行為への責任が生まれてくる。この 「せかい伝記図書館」 によって、夢のある人生、自分で責任ある人生を、選択させてあげたいものである。



伝記セット
いずみ書房」が創業後に刊行した、ポケット絵本シリーズ第1期「せかい童話図書館」(40巻)、第2期「こども科学図書館」(40巻)、第3期「子どもワールド図書館」(38巻)につづく第4弾は、1982年に刊行した第4期「せかい伝記図書館」(36巻・別巻3)だった。



企画を立ち上げてから丸3年、もっとも長い時間と労力をつぎこんだシリーズといえるかもしれない。おかげで、今もたくさんの人に受け入れていただき、ここ2、3年は「いずみ通販こどもカタログ」の一番人気を維持し続けている。混沌とした世の中だけに、歴史に名を連ねた人物の生きざまを見直すことにより、子どもたちに生きる指針を提示したいという親の願いがあるのだろう。



この伝記全集は本編が36巻、詳しい構成は「いずみ書房のホームページ」オンラインブックの「せかい伝記図書館」にアクセスしてください。現在、約100名収録の「伝記」のうち60名ほどの内容が読めるようになっています。36巻に約100名、それぞれ14ページを使って記述しています。収録人物はこれだけでなく、「伝記」としてとりあげた最重要人物と同時代に生きた重要人物310名ほどを「小伝」として見開き2ページに紹介しました。



さらに、別巻1「世界人名事典」別巻2「日本人名事典」として、小中高の教科書に登場する人名をそれぞれ1000名、計2000名を200字程度で簡潔に紹介しました。これだけあれば、歴史的な人物に関しては困らないようにしようという意図からです。



次回より、さまざまな観点から、このシリーズの特徴を綴ってみることにしよう。



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