児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ

30歳で独立、31歳で出版社(いずみ書房)を創業。 取次店⇒書店という既成の流通に頼ることなく独自の販売手法を確立。 ユニークな編集ノウハウと教育理念を、そして今を綴る。

2005年08月

フランチャイズチェーン・システムというのは、アメリカで1960年代に生まれた販売手法で、1970年代の半ばころから、日本でも多くの業種で活発に導入されるようになった。商品やサービスについて特長をもつ企業が、チェーンの加盟店に対し、一定地域内において、その商品やサービスの独占販売権を与え、経営方法やその指導をするかわりに、加盟料、看板料、指導料などを徴収するシステムである。フランチャイズを与える側の企業をフランチャイザー、加盟店をフランチャイジーという。当時、化学ぞうきんの「ダスキン」や、居酒屋の「養老の滝」などが、このシステムによって急成長していた。

いずみ書房の販売組織をフランチャイズチェーンとした場合、加盟店がそれぞれの地区にある信販会社の支店と口座開設することにより、代金の回収を速やかにできる。それが可能なら、この組織づくりに取り組む価値は充分あるに違いない。当社の商材は、今のところ「ポケット絵本」しかないのだから、加盟店には、広い販売地域を与える必要がある。基本的には1県全域をテリトリーとした加盟店を「支社」とする。そして、人口100万人から150万人を1単位とし、200万人を超える県については複数の「支社」を配置する。「支社」となるための加盟金を1支社30万円とすれば、全国約70支社の配置が可能になり、2100万円の加盟料が入ることになる。これはいい方法だと、取らぬ狸の皮算用をしてニンマリした。

しかし、当社には経営方法や指導方法といったノウハウらしいものはないのだから、あまり欲をかかずに地道にやらねばなるまい。返済不要の「加盟金」ではなく、当社のリスクを最小限にするための「保証金」(預り金)としよう。さらに、保証金を払って販売する権利だけを主張されては困るので、月間販売数の基準を設定し、3ヶ月ごとに売り上げをチェックし、半年以上ノルマが達成できない場合は、管轄地域に複数の加盟店を設置することができるようにする。おおざっぱではあるが、以上のような青写真を描いてみた。

私は、今後「いずみ書房の販売組織」をどういう仕組みにすればよいかと、自分なりに構想してみた。J・チェーンのように取扱商品が30点近くもある会社なら、それなりの売り上げも期待できるだろう。ところが当社の商品は、当面「ポケット絵本」のみである。

W氏ほどのセールス力があるなら、一人でも1ヶ月に50~80セットほど販売できるだろうから、当社の絵本だけで充分生活できるにちがいない。しかし、全巻予約(十集分)をとり、毎月一集ずつ配本・集金する方法では、手間と時間ばかりかかって、どう考えても生計を立てるというわけにはいくまい。

家庭の主婦が、暇な時間を利用して、生計の足し程度の収入を得るというようなものなら良いかもしれない。でもそれでは売り上げも知れているし、全国組織を作るなど夢物語である。J・チェーンの加盟店の「ポケット絵本」の売り方というのは、私の営業してきた方法と大差なく、毎月配本・集金をすることで、顧客と親密になれるという利点はあるものの、生計は他の商品の売り上げがあるからやっていけているのが現実である。

そのころ、オリエントファイナンスやセントラルファイナンスといった信販会社が、販売会社に所属するセールスマンが顧客と交わしたショッピングクレジット契約を審査の上に買い取り、集金業務をすべて代行、手数料を差し引いて販売会社へ立替払いするという仕組みが急速に普及しはじめていた。

私は、販売組織を全国的に広げるには、これを利用しなくては無理だと考え、近くの信販会社の支店に口座の開設を要請した。口座は、それほど時間や手間がかからず、ほどなく開設することができた。しかし、現在ではどの信販会社のどの支店でも全国のオーダーの審査が可能だが、当時は支店の営業地域というのが決まっていて、ごく狭い地域のオーダーでなくては審査を受付けてくれなかった。

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