児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ

30歳で独立、31歳で出版社(いずみ書房)を創業。 取次店⇒書店という既成の流通に頼ることなく独自の販売手法を確立。 ユニークな編集ノウハウと教育理念を、そして今を綴る。

2005年05月

学習室文庫文庫判上製のシリーズ「せかい童話図書館」を刊行することが、私のいずみ書房創業のキッカケだった。なぜ出版社を起こしてまで、童話のシリーズを刊行することになったのか、それにはいくつかの理由がある。そのひとつは、幼児・児童期の体験が原点としてあると思う。私は、7人兄弟の四男で下に3歳違いの妹がいる。私の父は、小学校の先生を長くやっていたせいか、幼児期の大切さがわかっていたのだろう。物心がついてから毎日のように寝る前に、「学習室文庫」という1冊40~50ページほどの薄い本を読んでくれた。全部で180冊あり、1期分が1箱30冊組、第1期~6期まで6箱に分かれていた。私と妹は一日おきに、1冊ずつお気に入りの本を父に手渡した。日本の昔話、グリムやアンデルセンの童話にはじまり、名作文学、伝記物語、世界の七不思議、科学読み物など、ジャンルは多岐にわたっていた。あまり感情導入をしない独特の抑揚は、50年以上経った今も、はっきりと思い出せる。これが幼児期から小学校3、4年生ころまで続いたように記憶している。兄や姉たちも同じように読んでもらっていたようで、この本を見るとなつかしさと共に何か甘酸っぱい思いがするようである。奥付を見ると、昭和2年、中文館書店という出版社から刊行されたシリーズで、1箱30冊の定価が2円と表示されている。今も、兄弟たちの思い出の証しとして、私が大事に保存している

「いずみ通販カタログ」2005年夏号が完成して今月中旬より配布開始、先週末までの2週間の売り上げ集計が出た。およそ50ページの掲載ページがある中で、44ページ目、「せかい童話図書館」「せかい伝記図書館」「レディバード図書館」の3点を紹介したページがダントツなのに驚いた。「せかい童話図書館」(全40巻)を刊行したのは創業したての1976年、30年近く前のこと。「せかい伝記図書館」(38巻)は1982年刊、「レディバード図書館」(全35巻)が1985年刊だから、すべての商品が、20年以上も前に刊行した商品なのである。「童話~」と「伝記~」は、いずみ書房のホームページにオンラインブックとして、それぞれ数点が紹介されていて、これが宣伝になっているかとは思うが、何百点もある新刊たちを押しのけて、売り上げがトップであることはとてもうれしいことで、いずみ書房の草創期に、誠心誠意気合を入れて編集・制作したものがいまだに理解されていることと、当時の苦労がしのばれて何とも感慨深いものがある。

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