この詩は、① 汚れっちまった悲しみに…  ⑯ 生い立ちの歌 1 ⑰ 生い立ちの歌 2 
と同時期に作られ、それぞれ、中也が生前に残した唯一の詩集『山羊の歌』44篇の後半に配置されています。名品と讃えられていた北原白秋の詩集「思い出」(1911年発表)の中の作品を掲げ、中也は「青いソフト」を「ホテルの屋根」と置き換えて、この詩の導入に使用しました。

中也のいいたいことは、「ほんに別れたあのおんないまごろどうしているのやら」と泰子への思いを追憶しながら、独自の歌謡の世界に挑戦した作品と思われます。詩の専門家はあまり評価しないものの、一般読者には人気の高い詩のひとつです。