中也が生存中に著した唯一の詩集『山羊の歌』(44篇収録)
の内訳は、「初期詩篇」(22篇)「少年時」(9篇)「みちこ」(5篇)「秋」(5篇)「羊の歌」(3篇)で、この詩は、「少年時」の中に登場します。

中也に妹はいません。古代歌謡にでてくる妹(いも)は、恋人・妻・姉妹に使われた言葉なので、中也のこの詩は「妹(いも)よ」と読むのかもしれません。この女性は、17歳の時に出会い同棲した3歳上の女優長谷川泰子のはずです。

湿った野原の黒い土や短い草の上を風が吹く夜、「もう、死んだっていいよう」となく恋人よ、君の魂はほんとうにうつくしい。今夜は君のいうことがすべて正当に思えている。私にとって、もう祈るより他に方法がないんだ……。

「純粋な魂が傷ついてなく」というこの歌も、私が20歳前後にこしらえた曲のひとつです。