今日3月25日は、スイスの物理学者・気象学者で、宇宙と深海にさまざまな挑戦をした冒険家のピカールが、1962年に亡くなった日です。

1884年、バーゼルのフランス系家庭に、双生児の兄ジャンと共に生まれたオーギュスト・ピカールは、少年時代から科学に興味を示し、チューリヒの大学で学んだ後、1917年にチューリヒ工科大学教授、1922年にブリュッセル自由大学の物理学教授に就任しました。

気球に乗って高空の宇宙線やオゾンを直接観測したいと考えたピカールは、1931年5月、自らが設計した直径30mの大型水素気球に乗って、ドイツの上空1万5838mの成層圏に達しました。さらに翌年8月には、1万6940mに達し、その後も気球に乗り続け、計27回、最高記録は2万8000mにも達したといわれています。

ピカールはまた、正反対の記録を作ろうと深海への挑戦をはじめ、深海観測船の建造に取り組みました。細長い船体に、海水よりも密度が小さいガソリンを搭載し浮力をつけ、沈降するときは鉄のおもりをつけ、浮上するときはおもりを捨てるように設計した電気推進式の深海観測船バチスカーフを発明すると、1953年に自ら搭乗してフランスのツーロン沖で深度3184m、翌年にはダカール沖で4049mに達し、深海を研究対象にすることに成功しました。さらに1960年、アメリカ海軍の協力をえてバチスカーフ・トリエステ号に息子のジャックらが搭乗し、グアム島に近いマリアナ海溝チャレンジャー海淵1万916mに達しました。

なお、息子のジャックもまた海洋学者・冒険家となりましたが、ジャックの息子ベルトランも精神科医・冒険家で、1999年3月に20日間未満の気球飛行による初の無着陸世界一周を達成しています。


「3月25日にあった主なできごと」

1499年 蓮如死去…親鸞が開いた浄土真宗の教えを、わかりやすい言葉で民衆の心をとらえ、真宗を再興させて「中興の祖」といわれる蓮如が亡くなりました。

1872年 樋口一葉誕生…『たけくらべ』『十三夜』『にごりえ』などの名作を残し、わずか24歳で亡くなった作家の樋口一葉が生まれました。

1878年 初の電灯…この日中央電信局が開設され、その祝賀会でわが国初の電灯としてアーク灯が15分ほど灯りました。ただし、一般の人が電灯を見たのは4年半後に銀座通りにアーク灯がついてからでした。一般家庭で電灯がつくようになったのは1887年11月のことです。

1957年 EECの結成…EEC(ヨーロッパ経済共同体)は、この日、フランス、西ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク6か国の代表がローマに集まって、結成のための「ローマ条約」を結びました。1958年1月からEECは正式発足しましたが、その経済面での発展はめざましいもので、ヨーロッパ経済の中心となるばかりでなく、EC(ヨーロッパ共同体)、さらにEU(ヨーロッパ連合)となっていきました。

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