たまには、子どもたちに身近な科学のおもしろさを、お話ししてあげましょう。「おもしろ科学質問箱 23」

イチゴ、トマト、スイカ、メロンなど、野菜(やさい)なのか果物(くだもの)なのか、はっきりわからないものがあります。どちらなのでしょう? 結論からいいますと、はっきり区別があるわけではありません。それでは、野菜といっても果物といってもいいのかというと、そうでもありません。野菜と果物の分類には、次のようないくつかの基準があるためです。

「その1」草木の実を食べるのが果物、それ以外は野菜
 
国語辞典の多くはこのように書かれています。したがって、イチゴ、トマト、スイカ、メロンは草や木など植物の実ですから、すべて果物ということになります。キュウリ、ナス、エンドウ、カボチャも実を食べます。でも、これらは果物というより野菜がふさわしいでしょう。

「その2」野菜はいろいろな部分を食べるのに対し、果物は実だけを食べる
 
ダイコンは根や葉、ゴボウは根、キャベツやレタスは葉を食べるので、野菜というのはよくわかります。

「その3」茎やつるなどの草本性(木にならない)植物を「野菜」、樹木になるものを「果物」

行政上の分類だそうです。それなら、スイカ、メロン、バナナは草だから野菜かな? 自治体などの統計では、スイカやメロンは野菜になったり果物になったりしています。

「その4」おかずは野菜、デザートは果物

トマトはサラダに入れたり、ご飯のおかずにもしますが、デザートにも使われます。イチゴ、スイカ、メロンはデザートといってよさそうですね。

「その5」野菜は一年生か二年生(1年か2年で世代を終える)の草、果物は多年生の木になる実
 
この分類ですと、スイカ、メロン、イチゴ、バナナは野菜となります。

野菜に分けるか果物に分けるかは、国や地域によっても違いがあります。英語でも、野菜は「ベジタブル(vegetables)」、果物は「フルーツ(furuits) 」といいわけていますが、分類のしかたはわが国と似たようなもので、厳密な基準はなさそうです。


「7月24日にあった主なできごと」

1802年 デュマ誕生…フランスの作家で、『モンテクリスト伯』『三銃士』などを著したアレクサンドル・デュマが生まれました。

1876年 ウェブスター誕生…『足ながおじさん』を著したアメリカの女流作家ジーン・ウェブスターが生まれました。

1886年 谷崎潤一郎誕生…『細雪』『春琴抄』『痴人の愛』などの小説や『源氏物語』現代語訳を著した作家の谷崎潤一郎が生まれました。

1927年 芥川龍之介死去…『杜子春』『蜘蛛の糸』 『鼻』『河童』などの短編小説を著した大正時代を代表する作家芥川龍之介が、36歳の若さで自殺しました。