「読み聞かせ」のすすめ 20

ある新聞の投稿欄に、35歳の主婦という方の一文が掲載されていました。

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わたしが二人の子どもをもっていちばん良かったと思うのは、絵本をいっしょに読んできたこと。上の子どもが2歳になったころから毎晩1冊ずつ読みはじめて、今は毎晩3冊ずつ。図書館へいって本をたくさん借りてきた日は、夜、子どもを寝かしつけるのが楽しみ。はじめのうちは1冊読むとのどか痛かったが、今は何冊読んでも平気。

絵本は、怒っていては絶対読めない。体の具合が少し悪いときでも、心配事があるときでも、本だけは明るい声で読むように心がける。

これまでの6年間に何冊読んだか、覚えていない。何回も読んだのに、忘れてしまった話もある。しかし、母子3人で、一緒に感動した思い出だけは山のようにある。あと何年、一緒に読めるかわからないが、疲れて少しいやな時も、この読み聞かせを絶対続けていこうと思う。

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以上のような内容でしたが、「母子3人で一緒に感動した思い出は山ほどある」というのは、なんと素晴らしいことでしょうか。そして、この「感動」を求めて、からだの調子が悪い時でも、心配事があるときでも、一所懸命読み聞かせをつづけようとされる、このお母さんの姿こそ、感動的に思えてしかたがありません。