こうすれば子どもはしっかり育つ 「良い子の育てかた」 74

子どもの手を引いて買い物に行く。こんな時、たいていは行きも帰りも同じ道です。子どもが違う道に行こうとすると 「そっちじゃない、こっちでしょ」 などと声をかけながら。

これはよく考えてみると、子どもの気持ちを無視した親の都合です。これを思いきって、子ども中心に考えなおしてみたらどうでしょう。子どもがいつもと違う道に行こうとしたら 「あら、そっちへ行ってみたいの? じゃ、行ってみようか。何か、おもしろいことがあるかもしれないね」 と声をかけながら、子どもの行こうとする道に入ってみる。

また、時には親の方から 「きょうは、こっちの道へいってみようか」 と声をかけて、積極的に新しい道に入ってみる。花の咲いている道、小学校の見える道、小川の流れている道、珍しい家や店のある道へ……。

「早くおいで」 「何してるの?」 「もう、おいていくわよ」 「ほら、危ないでしょ」 などと、小言めいたことばかりいいながら、買い物の道をただ往復するよりも、昨日とは違う道を母と子で、新しい発見を楽しみながら語って歩けたら、どんなにすてきなことでしょう。

「きょうは、少ししかお花が咲いていなかったけど、こんどまたいっぱい咲いているときに、あの道へ行ってみようね、楽しみだね」 買い物の道から、家へもどって、子どもにこんな声をかけてやったら、もうそれだけで、再び胸をふくらませるはずです。

子育ての主役は 「子ども」 であることを、常に忘れないようにしたいものです。