こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 45

走るのが遅い、野球をやってもドッジポールをやってもうまくいかない、という子どもがいます。
親はそんな子どもを 「いっしょうけんめいがんばりさえすれば、走るのが遅くてもいいんだよ」 「おまえは、スポーツ向きじゃないんだ」 「スポーツがだめなら、ほかのことをがんばればいいんだ」 などと言って、なぐさめることがあります。でも、それは親自身が自分をなぐさめているのかもしれません。

激しい運動をさけなければいけないような、健康上の問題をかかえているのであればしかたがないとしても、そうでない場合は、子どもの身体をきたえさせることは大事なことです。
とくべつなスポーツクラブなどへ入れなくてもきたえる方法は、親の心がけひとつで、いくらでもあります。
「きたえるのがよい」 というのは、運動能力を一定の水準以上に到達させることだけを意味しているわけではありません。
それは、子どもにはじめから 「ぼくは、どうせ遅いのだ」 「ぼくは、どうせ負けるんだ」 とあきらめさせずに、自分と闘わせる場を作るということです。

きたえたからといって、徒競走でいつも最後を走るような子が、1番になるようなことはないかもしれません。しかし、あきらめずに努力して成果があがったとき、子どもは努力することのすばらしさを知るでしょう。また、体を動かすということ自体、楽しいものです。

子どもに興味のないものをおしつけることは望ましいことではありませんが、「できないから」 といって、はじめから妥協を許すのは、自分にうち勝つことを経験する場を失わせることでもあります。いつも心にとめておきたいもののひとつです。