こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 21

● 事実をきちんと話す習慣を身につけさせる

子どもは、学校でも、外でも、家のなかでも、親の目のとどかないところで、いろいろな失敗をくりかえしています。いたずらをして痛いめにあったり、人に叱られたりしています。そして、心のなかには、おもしろかったけど失敗したこと、痛かったこと、叱られたことを、だれかに話してしまいたい気持をもっています。
しかし、子どもが、そんなことを話しはじめたとき、失敗したり、痛いめにあったり、叱られたりした結果だけを問題にして 「どうして、そんなバカなことをしたの」 「どうして人に叱られるようなことをするの」 と、きびしく、とがめたりしていませんか。
子どもが、どんな楽しみをいだいてそれをしたのか、そして、なぜ失敗したり叱られたりしたのか、などには耳をかたむけずに結果だけを、いましめていないでしょうか。そうしていると子どもは、いつのまにか、話せばどうせ叱られるばかりだから、親にはだまっていよう、だまっていたほうがとくだ、と思うようになってしまいます。また、自分につごうのよい、ほめられそうなことだけを話すようになってしまいます。さらには、叱られないように、ほめられるように、ウソをつくようになってしまいます。
幼児期のあいだは、まだ問題が小さく、それほど心配することではないかもしれません。でも、その習慣をつみかさねていくうちに、ウソをつくばかりか、秘密主義の中・高校生になってしまいます。「ほんとうのことを、なにも話してくれない」 子どもにしないために、ふだんから子どもの話にしっかり耳をかたむけるよう心がけたいものです。