こうすれば子どもはしっかり育つ「良い子の育てかた」 12

● 行いの習慣化にとらわれない

親は、一般に、子どもになにかをやらせるとき、いちど決めたことを、どこまでも守らせようとします。しつけには習慣がたいせつですから、いちど決めたことを守らせるのは、よいことです。
しかし 「決めたことを守らせる」 という考えにとらわれすぎるあまりに、多くの場合、忘れられていることがあります。それは、行動の習慣化にあわせて、子どもの自由な思考を育ててやることへの配慮です。
たとえば、自分の部屋は自分で片づけることにした場合、多くの親は、はじめ親もいっしょになって片づけてみせて、その後はいつも子どもに、そのとおりに片づけることを求めます。そのとおりになっていないと、片づいていないと言います。
はたして、これが最善のしつけでしょうか。これでは、子どもの考えが、たいせつにされていません。子どもは、親の決めたことを機械的に守っているだけです。
子どもが、はじめ決めた片づけの形を守らなくなったら、むしろ 「片づけかたを、こんどは、あなたの思うとおりに変えてごらんなさい」 と言ってやったらどうでしょう。また、ときには、もっと積極的に 「部屋のもようを、思いっきり自由に変えてみたらどう?」 と言ってやったらどうでしょう。子どもは、片づけることひとつにも、自由な思考をはたらかせるはずです。
家事のてつだいも同じです。いつも同じ方法を守らせるのではなく、「もっと、ちゃんといく方法、もっと早い方法はないかしら」 などと意図的に語りかけてやって、新しい方法や形を子ども自身に見つけださせながら、やらせてみることです。子どもは、行ないの習慣だけでなくふだんの生活のなかで、自由に、幅ひろく考えていく習慣をも身につけていってくれます。