朝から晩までテレビの勧善懲悪ストーリーを見続け、やっつける疑似体験を何度もしているうち、これを試してみたくなります。学校へ行くようになり、ちょっとこいつは弱そうだなと思えば、手をだしてしまいます。幼児の頃に他の子どもと触れ合う体験をしていれば、やられた時の悔しさやイヤな気持ち、やっつけた時も快感ばかりでなく心の痛むことがあることを知っています。そんな体験をしていないまま、いじめた子が抵抗しなければ、これは面白いとばかりエスカレートしていきます。

やられた子どもはしょげかえります。ほしいものは何でも買ってもらえ、かわいいかわいいと甘やかされて育ってきていますから、いきなり友だちに暴力をふるわれたり、仲間はずれにされたりすると、免疫がないのですぐにまいって、学校へ行きたくないといいます。その理由を知った親も親で、一方的に怒り狂い、いじめた子の親と話し合うでもなく、担任の教師や学校を通り越して、教育委員会に怒鳴りこむというのですから、嘆くより、あきれてしまいます。

それでも小学校低学年で発覚したらまだよい方で、高学年や中学生になってからではだんだん始末におえなくなります。親にも友だちにも言えず、内にとじこもってかたくなになり、自分には生きる価値や意味がないのではないかとまで自分を追い込み、ついには自殺という最悪の道を選んで実行してしまうのです。なんと救いようのない悲しい結末なのでしょうか。(以下次回)