● 寒さに負けない体づくりのために、どんなに寒い夜も窓を開けてやすむ

船乗りの子として漁村に生まれたアムンゼンは、小さいときから、海がすきでした。そして、いつかきっと、海のむこうの見知らぬ土地へ行くことを夢にえがいて、成長しました。
15歳のころのこと、アムンゼンは、1冊の本に、むちゅうになりました。129人の隊員たちといっしょに、2せきの船で北極へ向かい、2年ものあいだ、きびしい大自然とたたかいつづけて、ついに、隊員たちとともに死んでいった、イギリスの探検家ジョン・フランクリンの伝記です。アムンゼン少年は、命をかけて北極へいどんだフランクリンの強さに心をうたれ、この本を、なんどもなんども読みかえしては 「よし、ぼくも、必ず北極へ行くぞ」 と、自分にちかうようになりました。
でも、この決心は、だれにも言いませんでした。まもなく父が亡くなって母に育てられるようになり、やさしい母に心配をかけてはいけないと思ったからです。アムンゼン少年は、母のいいつけを守っていっしょうけんめい勉強しました。
しかし、夢をすててしまったのではありません。からだをきたえておくために、スキーやフットボールにはげみました。また、北極の寒さに負けないように、どんなに寒い夜も、部屋の窓を開けてやすみました。そして、母が亡くなると、船員になって探検船へ乗りこみ、自分の夢をめざして、つき進んでいきました。でも、フランクリンと同じように、北極で命を絶ってしまいました。

アムンゼン(1872 1928)──少年時代からの夢をつらぬいて南極点を征服したノルウェーの探検家。

詳しくは、いずみ書房のホームページにあるオンラインブック「せかい伝記図書館」をご覧ください。近日中にアップする予定ですので、ご期待ください。